ぷっくり膨らんだ幹から枝を伸ばし、サンゴのような朱色の花を咲かせるサンゴアブラギリ(珊瑚油桐)。花のあとには緑色の実をつけ、熟すと種をはじき飛ばします。この記事では、サンゴアブラギリの育て方、実と種の特徴、種からの増やし方、冬の休眠の管理を、実際に育てている株の写真と表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① サンゴアブラギリはトウダイグサ科の熱帯植物。朱色の花をほぼ一年中くり返し咲かせる
② 日当たりを好み、土が乾いてから水やり。冬は葉を落として休眠するので水を控え、12℃以上で管理
③ 全草に毒があり、樹液で皮膚がかぶれることも。増やすのは種まきが基本
サンゴアブラギリとは?

サンゴアブラギリ(Jatropha podagrica)は、トウダイグサ科ヤトロファ属の植物です。原産地はメキシコからニカラグアにかけての熱帯アメリカ。根元がとっくり状に膨らむ幹が特徴で、多肉植物やコーデックス(塊根植物)の仲間として親しまれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Jatropha podagrica |
| 分類 | トウダイグサ科ヤトロファ属 |
| 原産地 | メキシコ〜ニカラグア(熱帯アメリカ) |
| 大きさ | 鉢植えで高さ60〜90cmほど(自生地では約2.4mになることも) |
| 花 | 朱色の小さな花が集まって咲く。ほぼ一年中、くり返し咲く |
| 実 | 楕円形の緑色のさく果。熟すと茶色になり、はじけて種を飛ばす |
| 耐寒性 | 弱い(USDA 10a〜11b)。冬は12℃以上が目安 |
| 毒性 | 全草が有毒。樹液で皮膚炎を起こすことがある |
| 増やし方 | 種まき(さし木もできるが難しい) |
これから育てるなら、観葉植物として売られているサンゴアブラギリ(ヤトロファ)の株の例です。
サンゴアブラギリの花・実・種

| 部分 | 特徴 |
|---|---|
| 花 | 葉の上に、直径2.5cm未満の朱色の星形の花が集まって咲く。ひとつの花房に雄花と雌花がある |
| 実 | 楕円形の緑色のさく果。熟すと茶色くなる |
| 種 | 1つの実に2〜4個。熟した実ははじけて、種を少し離れた場所まで飛ばす |
ひとつの花房に雄花と雌花があるため、家庭でも実がつくことがあります。種をとりたいときは、実が熟す前に小さなネット袋をかぶせておくと、はじけた種を回収できます。
サンゴアブラギリは全草が有毒で、種も例外ではありません。実や種を子どもやペットが口にしないように注意し、落ちた種は片づけましょう。樹液で皮膚がかぶれることがあるので、剪定や植え替え、種の採取は手袋をして行います。
サンゴアブラギリの年間管理
| 時期 | 株の状態 | 置き場所 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|---|
| 春(4〜5月) | 目覚め | 明るい窓辺→暖かくなったら戸外の日なた | 枝先に新しい葉が出たら水やりを再開 | 植え替え・種まき |
| 夏(6〜8月) | 生育期・開花 | 日当たりのよい場所 | 土が乾いたらたっぷり | 肥料 |
| 秋(9〜11月) | 生育がゆるやかに | 冷え込む前に室内へ | 少しずつ控える | 肥料を減らす |
| 冬(12〜3月) | 休眠(葉が落ちる) | 12℃以上の室内。暖房器具のそばは避ける | ごく控えめ | 水を控えて休ませる |
サンゴアブラギリの育て方
置き場所・日当たり
日なた〜半日陰で育ちます。暗い日陰は避け、室内なら明るい窓辺に置きましょう。春から夏は戸外の日当たりのよい場所でよく育ち、花もよく咲きます。寒さに弱いので、秋に冷え込む前に室内に取り込みます。
水やり
| 時期 | 水やりの目安 |
|---|---|
| 春〜夏(生育期) | 土が乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり |
| 秋 | 少しずつ回数を減らす |
| 冬(休眠期) | ごく控えめ。土が深くまで乾いてから少量を |
乾燥には強い一方、寒くて湿った状態が続くと、幹や根が腐りやすくなります。冬は特に水を控えめにしましょう。
用土・肥料
水はけのよい土が向いています。サボテン・多肉植物用の土を使うと手軽です。肥料は生育期に、液体肥料を規定量に薄めて与えます。冬の休眠中は与えません。
肥料とは別に使う植物活力剤の例です。液体肥料の代わりにはなりません。
用土・肥料で使うもの
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▶ ハイポネックス原液:生育期に、規定量に薄めて与える液体肥料。冬の休眠中は与えません
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植え替え
根詰まりには比較的強いので、植え替えは数年に1回、春に一回り大きな鉢へ行えば十分です。作業は樹液にふれないよう、手袋をして行いましょう。
用土を自分で配合するときの、赤玉土小粒の例です。
幹を太らせるには

とっくり状の幹は、株が育つにつれてゆっくり太っていきます。生育期によく日に当て、水と肥料を切らさずに育て、冬はしっかり休ませるという基本の管理を続けることが、がっしりした株に育てる近道です。日照が足りないと、枝がひょろひょろ伸びて間延びした姿になります。
| ポイント | 太い幹に育てる管理 |
|---|---|
| 時間 | 幹は年数をかけてゆっくり太る。最終的な大きさになるまで5〜8年ほどかかる |
| 日当たり | 生育期はよく日に当てる。暗い場所では枝が間のびする |
| 水と肥料 | 生育期は土が乾いたらたっぷり水を与え、肥料を切らさない |
| 休眠 | 冬は水を控えて、葉を落とした状態でしっかり休ませる |
| 鉢 | 根詰まりぎみのほうがよく育つ。植え替えは必要なときだけ、数年に1回 |
| 剪定 | 切るのは緑色の若い枝だけ。木質化した幹は切らない |
木質化して硬くなった幹を切ると、株が枯れてしまうことがあります。姿を整えたいときも、剪定は緑色の部分にとどめましょう。
冬の管理(休眠)
サンゴアブラギリは、冬になると葉を黄色くして落とし、休眠します。葉が全部落ちても、幹がしっかりしていれば心配いりません。
- STEP1秋:室内に取り込む
冷え込む前に室内の明るい場所に移し、水やりの回数を減らしていきます。
- STEP2冬:12℃以上で休ませる
葉が落ちたら水はごく控えめに。暖房器具の近くは乾燥しすぎるので避けます。
- STEP3春:目覚めを待つ
枝先に小さな新芽が出てきたら、目覚めのサイン。水やりを少しずつ再開します。
- STEP4暖かくなったら戸外へ
最低気温が十分に上がったら、日当たりのよい戸外に出します。
サンゴアブラギリの増やし方(種まき)

サンゴアブラギリは、種まきで増やすのが基本です。さし木でも増やせますが、発根させるのは難しい方法です。
- STEP1種をとる
熟す前の実にネット袋をかぶせておき、はじけた種を回収します。
- STEP2一晩水につける
まく前に、種を一晩水につけておきます。
- STEP3土にまく
サボテン・多肉植物用の土にまき、袋などをかぶせて湿度を保ちます。
- STEP4暖かく管理する
18℃以上の暖かい場所で管理します。発芽までに数か月かかることもあります。
病害虫とトラブル
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 葉が黄色くなって落ちる(冬) | 休眠 | 自然な変化。水を控えて春を待つ |
| 葉が黄色くなって落ちる(生育期) | 寒さ・水の過不足 | 12℃以上を保ち、土の乾き具合を見て水やり |
| 幹や株元がぶよぶよになる | 寒さと過湿による腐れ | 冬は水を控え、水はけのよい土で育てる |
| 枝がひょろひょろ伸びる | 日照不足 | 明るい場所へ。春〜夏は戸外の日なたで |
| 葉裏に小さな虫・白い綿 | ハダニ、コナカイガラムシ、アブラムシなど | 葉裏や葉の付け根をよく見て、見つけたら早めに駆除 |
株元にまく粒剤の例です。対象の害虫と植物は、ラベルの表示で確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 冬に葉が全部落ちてしまいました。
A. サンゴアブラギリは冬に葉を落として休眠します。幹がかたくしっかりしていれば問題ありません。水をごく控えめにして、春に新芽が出るのを待ちましょう。
Q. 幹を太らせるにはどうすればいい?
A. 幹は年数をかけてゆっくり太ります。生育期によく日に当てて水と肥料を切らさず、冬はしっかり休ませる管理を続けましょう。植え替えは必要なときだけにし、木質化した幹は切らないようにします。
Q. 種で増やせますか?
A. 増やせます。熟した実ははじけて種を飛ばすので、熟す前にネット袋をかぶせて回収し、暖かい時期にまきます。
Q. サンゴアブラギリに毒はありますか?
A. 全草が有毒です。実や種を口にしないよう注意し、樹液で皮膚がかぶれることがあるので、作業は手袋をして行いましょう。
まとめ
- サンゴアブラギリはトウダイグサ科の熱帯植物。膨らんだ幹と朱色の花が魅力
- 日なた〜半日陰で、土が乾いてから水やり
- 冬は葉を落として休眠。水を控え、12℃以上で管理
- 実ははじけて種を飛ばす。増やすのは種まきが基本
- 全草が有毒。樹液にふれないよう手袋を


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