ぷっくりとした葉が茎に連なり、鉢からカーテンのように垂れ下がる玉つづり(タマツヅリ)。葉がポロポロ取れやすい反面、その葉からかんたんに増やせるセダムです。この記事では、玉つづりの増やし方(葉ざし・さし芽・株分け)の手順と適期を中心に、新玉つづりとの違い、季節ごとの育て方、葉が落ちる・枯れる原因と対策を表で解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① 玉つづりはメキシコ原産のセダム。茎が垂れ下がって60cmほどに伸び、夏にピンク〜赤の花が咲く
② 増やし方は葉ざし・さし芽・株分け。適期は3〜5月と9〜10月。葉はつけ根まできれいに外すのがコツ
③ 春秋型。日なたで、乾いたらたっぷり水やり。夏は雨を避けた半日陰、冬は霜に当てず室内へ
玉つづりの増やし方【方法の比較】
| 方法 | 難易度 | 適期 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 葉ざし | ★☆☆ かんたん | 3〜5月、9〜10月 | 取れた葉や外した葉を用土にのせる。たくさん増やせる |
| さし芽(さし木) | ★☆☆ かんたん | 同上 | 茎を切ってさす。早く大きな株になる。伸びすぎた株の仕立て直しにも |
| 株分け | ★★☆ ふつう | 同上(植え替え時) | 群生した株を分ける。葉が落ちやすいのでやさしく扱う |
玉つづりの葉は、触れただけでも取れるほど外れやすいのが特徴です。取れた葉は数日で根を出すことも多く、そこから小さな株が育ちます。早く見ごたえのある株にしたいなら、さし芽がいちばん手っ取り早い方法です。
葉ざしの手順
- STEP1葉を外す
元気な葉を、つけ根の部分ごとていねいに外す。途中でちぎれた葉は根が出にくい
- STEP2切り口を乾かす
明るい日陰に数日置いて、つけ根を乾かす
- STEP3用土にのせる
乾いた水はけのよい用土の上に並べる。埋めなくてよい
- STEP4根が出たら水やり
根や芽が出てきたら、霧吹きなどで少しずつ水を与え始める
さし芽(さし木)の手順
- STEP1茎を切る
清潔なハサミで、先から5〜10cmほどの茎を切る
- STEP2下葉を外す
さし込む部分の葉を外す。外した葉は葉ざしに使える
- STEP3切り口を乾かす
明るい日陰で数日置き、切り口を乾かす
- STEP4用土にさす
乾いた用土にさし、明るい日陰で管理。1週間ほどたってから水やりを始める
さし穂の切り口にルートン(Amazon)などの発根促進剤をつけておくと、根の出がそろいやすくなります。
株分けのポイント
植え替えのときに、株元から分かれた株を根ごと分けて植えつけます。茎を持つと葉が落ちやすいので、根鉢を持って作業しましょう。
玉つづりとは?特徴と基本データ
玉つづりは、ベンケイソウ科セダム属の多肉植物です。メキシコ南部のベラクルス州の、崖のような岩場に自生しています。英語では「ロバのしっぽ(Burro’s tail)」とも呼ばれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Sedum morganianum |
| 別名 | タマツヅリ、モルガニアナム |
| 分類 | ベンケイソウ科セダム属 |
| 原産地 | メキシコ南部(ベラクルス州) |
| 茎 | 垂れ下がって60cmほどに伸びる |
| 葉 | 白い粉をおびた青緑色。ぷっくりした細長い形で、取れやすい |
| 花 | 夏、茎の先にピンク〜赤の花が咲く |
| 生育型 | 春秋型 |
| 増やし方 | 葉ざし、さし芽、株分け |
新玉つづりとの違い


| 項目 | 玉つづり | 新玉つづり |
|---|---|---|
| 学名 | Sedum morganianum | Sedum burrito |
| 別名 | タマツヅリ | ビアーホップ、姫玉綴り |
| 葉の形 | 細長く、先がややとがる | 1cmほどの丸い豆のような形 |
| 大きさ | 大きく、長く垂れ下がる | ひとまわり小さくコンパクト |
| 育て方 | 春秋型。同じ管理でよい | 春秋型。同じ管理でよい |
上の写真は新玉つづりです。葉が丸くて短いのが見分けるポイントです。新玉つづりはホームセンターなどでもよく見かけます。
間違えやすい乙女心との違い



上の写真は、同じセダム属の乙女心です。ぷっくりした葉は似ていますが、乙女心は葉が茎の先にロゼット状に集まって立ち上がり、日に当たると葉先が赤く色づきます。玉つづりのように葉が茎全体に連なって垂れ下がることはありません。
玉つづりの年間管理カレンダー
| 時期 | 状態 | 置き場所 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 🌱生育期 | 日当たりのよい戸外 | 用土が乾いたらたっぷり | 植え替え・葉ざし・さし芽・株分け。少量の施肥 |
| 梅雨〜夏(6〜8月) | 😴休眠 | 雨の当たらない、風通しのよい半日陰 | 控えめ | 蒸れ・根腐れに注意。開花 |
| 秋(9〜11月) | 🌱生育期 | 日当たりのよい戸外 | 用土が乾いたらたっぷり | 葉ざし・さし芽(9〜10月)。少量の施肥 |
| 冬(12〜2月) | 😴休眠 | 霜の当たらない室内の明るい場所 | 控えめ | 霜・凍結に注意 |
玉つづりの育て方
置き場所・日当たり
春と秋は、戸外の日当たりのよい場所で育てます。1日3〜6時間以上の日照が目安で、日差しが足りないと茎が間のびして、葉の間がまばらになります。梅雨から夏は、雨の当たらない風通しのよい半日陰に移しましょう。
茎が長く垂れ下がるので、吊り鉢や棚の縁など、垂れる姿を生かせる場所に置くのがおすすめです。鉢を動かすと葉が落ちやすいので、置き場所はなるべく決めておきましょう。
水やり
| 時期 | 水やり |
|---|---|
| 春・秋(生育期) | 用土が乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷり |
| 梅雨〜夏(休眠期) | 控えめに。雨にも当てない |
| 冬(休眠期) | 控えめに。乾かし気味に管理 |
葉にためられる水が少ないため、生育期に水が切れると下葉から枯れやすくなります。生育期は乾いたら間をあけずにたっぷり与えましょう。
用土・肥料・植え替え
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用土 | 水はけのよい用土。例:鹿沼土小粒・赤玉土小粒・ピートモス・川砂・くん炭を各2 |
| 肥料 | 春と秋の生育期に、緩効性化成肥料か液体肥料を少量 |
| 植え替え | 1〜2年に1回。生育期の直前か初期が適期。伸びすぎた茎はさし芽に |
冬越し
寒さに弱いので、霜に当てないようにします。最低気温が5℃を下回るころには、室内の明るい窓辺に取り込みましょう。
よくあるトラブルと対策
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 葉がポロポロ落ちる | 触れたり鉢を動かしたりした衝撃。もともと葉が取れやすい | 置き場所を決めて動かさない。落ちた葉は葉ざしに |
| 下葉が枯れる・しわが寄る | 生育期の水切れ | 生育期は乾いたらたっぷり水やり |
| 茎が間のびして葉がまばら | 日照不足 | 日当たりのよい場所へ。伸びた茎はさし芽で仕立て直す |
| 株元が黒く腐る | 夏の高温多湿・過湿 | 夏は雨を避けて控えめに。元気な茎をさし芽に |
| 茎や葉に白い虫 | カイガラムシ | 見つけしだい取り除く |
| 根に白い虫 | ネジラミ(サボテンネコナカイガラムシ) | 植え替え時に根を洗う |
カイガラムシやアブラムシの予防には、株元にまく浸透移行性の粒剤が便利です。使用量と対象の植物は、ラベルの表示を確認しましょう。
・オルトランDX粒剤(Amazon)
よくある質問(FAQ)
Q. 玉つづりの葉ざしは、葉を土に埋めますか?
A. 埋めずに、乾いた用土の上にのせるだけで大丈夫です。根が出たら、根が用土にふれるようにして水やりを始めましょう。
Q. 落ちた葉からも増やせますか?
A. 増やせます。つけ根まできれいに取れている葉なら、用土にのせておくと根や芽が出てきます。
Q. 茎が伸びすぎて形がくずれました。
A. 3〜5月か9〜10月に、伸びた茎を切ってさし芽にすれば仕立て直せます。切った残りの株からも、また芽が出てきます。
まとめ
- 玉つづりはメキシコ原産のセダム。茎が垂れ下がり、夏にピンク〜赤の花
- 増やし方は葉ざし・さし芽・株分け。適期は3〜5月と9〜10月
- 葉ざしは葉をつけ根ごと外し、乾かしてから用土にのせる
- 新玉つづりは葉が丸く小さい別の種類。育て方は同じ
- 春秋型。夏は雨を避けた半日陰、冬は霜に当てず室内へ
丸い葉の新玉つづりは、新玉つづりの育て方もあわせてご覧ください。


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