ふっくらした葉の中心がほんのり桜色に染まる多肉植物桜牡丹(さくらぼたん)。流通名「ゴースティ」でも売られている、丈夫で育てやすい品種です。この記事では、桜牡丹の特徴、名前の似た桜月や朧月・秋麗との違い、季節ごとの育て方と紅葉させるコツを、実際に育てている株の写真と表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① 桜牡丹は朧月とセダムの交配種(グラプトセダム属)。流通名はゴースティ
② 春秋型で丈夫。日当たり・風通しのよい場所で、土が乾いてから水やり
③ 水が多いと徒長しやすい。日によく当てて水を控えると、桜色が出やすい
桜牡丹(ゴースティ)とは?

桜牡丹は、朧月(Graptopetalum paraguayense)とセダムの一種をかけ合わせた交配種で、グラプトセダム属に分類されます。品種名は×Graptosedum ‘Ghosty’で、日本では「桜牡丹」「ゴースティ」の名前で流通しています。セダム側の親ははっきりしておらず、Sedum treleasei ではないかとする見方があります。
中型のロゼットが茎を伸ばして幹立ちするタイプで、葉は重なり合ってやや塔のような形になります。新しい葉は朧月のような灰色がかった色、下のほうの古い葉はアプリコットピンクに色づき、この色の重なりが「桜牡丹」の名前のとおりの柔らかい雰囲気をつくります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品種名 | ×Graptosedum ‘Ghosty’ |
| 流通名・別名 | 桜牡丹(さくらぼたん)、ゴースティ |
| 分類 | ベンケイソウ科 グラプトセダム属(属間交配種) |
| 交配親 | 朧月(Graptopetalum paraguayense)× セダムの一種 |
| 草姿 | 中型のロゼット。茎が伸びて幹立ちする |
| 花 | 黄色 |
| 生育型 | 春秋型 |
| 耐暑性 / 耐寒性 | 強い / 多肉植物の中では強い(霜よけは必要) |
| 増やし方 | 葉ざし、さし芽(胴切り・剪定した枝) |
販売店によっては「グラプトベリア 桜牡丹」の名前で売られていることもあります。同じ名前でも親の説明が店によって異なるので、ラベルの表記は参考程度にとどめましょう。
桜牡丹と桜月・朧月・秋麗の違い

桜牡丹は、名前の似た桜月や、親にあたる朧月、同じグラプトセダム属の秋麗とよく比べられます。違いを表にまとめました。
| 名前 | 学名・品種名 | 交配親 | 見た目の特徴 |
|---|---|---|---|
| 桜牡丹(ゴースティ) | ×Graptosedum ‘Ghosty’ | 朧月 × セダムの一種 | 灰色がかった葉に、下葉や中心がピンクに色づく。幹立ちする。花は黄色 |
| 桜月 | Graptopetalum ‘Sakuraduki’ | 資料で確認できなかった | グラプトペタルム属の園芸品種として流通。グラプトベリアの名で売られることもある |
| 朧月 | Graptopetalum paraguayense | 原種 | 灰白色の葉のロゼット。花は白に赤い斑点。よく増え、葉ざしも容易 |
| 秋麗 | ×Graptosedum ‘Francesco Baldi’ | 朧月 × セダム・パキフィラム(乙女心) | やや細身の肉厚な葉。夏は明るい緑、冬は薄紫にピンクが入る。春に黄色い花 |
桜月との見分け方
「桜月」と「桜牡丹」は名前が似ていますが、別の品種です。桜牡丹はセダムの血が入ったグラプトセダム属、桜月はグラプトペタルム属の品種として扱われています。桜牡丹は葉が重なって茎が立ち上がり、花が黄色になるのが目印です。朧月は花が白地に赤い斑点なので、花が咲けば見分けやすくなります。
桜牡丹は朧月によく似ていて、園芸店で朧月として売られていることもあります。迷ったときは、葉の重なり方や花の色を確かめましょう。
桜牡丹の年間管理(栽培カレンダー)
| 時期 | 株の状態 | 置き場所・水やり | 主な作業 |
|---|---|---|---|
| 3〜5月 | 生育期 | 日なた。土が乾いたらたっぷり | 植え替え・葉ざし・さし芽の適期。緩効性肥料を2か月に1回 |
| 6〜8月 | 梅雨・真夏 | 雨の当たらない風通しのよい場所 | 水やりは控えめに。蒸れと軟腐病に注意 |
| 9〜11月 | 生育期・色づき | 日なた。土が乾いたらたっぷり | さし芽・剪定。寒さに当てて色づかせる |
| 12〜2月 | 低温期 | 日当たりのよい霜の当たらない場所 | 水やりは少なめ。霜・寒風を避ける |
桜牡丹の育て方




置き場所・日当たり
一年を通して日当たりと風通しのよい場所で育てます。梅雨の長雨には当てないようにし、雨の当たらない軒下などに置きましょう。日照が足りないと茎が間のびして、ロゼットがゆるんだ姿になります。室内で育てる場合は、できるだけ明るい窓辺に置き、光が足りなければ植物育成ライトで補う方法もあります。
日当たりのよい窓辺がない部屋では、植物育成ライトで光を補うと間のびを防ぎやすくなります。
水やり
| 季節 | 水やりの目安 |
|---|---|
| 春(3〜5月) | 土が乾いたらたっぷり |
| 夏(6〜8月) | 控えめにする |
| 秋(9〜11月) | 土が乾いたらたっぷり |
| 冬(12〜2月) | 少なめ。乾かし気味に管理 |
桜牡丹は高温や乾燥に強いタイプです。反対に水をやりすぎると徒長しやすいので、土がしっかり乾いてから与えるメリハリを守りましょう。
用土・鉢
水はけのよい用土を使います。自分で配合するなら、赤玉土(中粒)3・鹿沼土(中粒)3・軽石(中粒)1・腐葉土3が目安です。市販の多肉植物用の土を使うと手軽です。鉢は水はけのよい、底穴のあるものを選びましょう。
多肉植物用の土なら、花ごころ さぼてん多肉植物の土(Amazon)のような配合済みの用土が使いやすいです。
こちらは観葉植物用の土です。桜牡丹には、水はけを重視した多肉植物用の土か、上の配合土を使いましょう。
肥料
春と秋の生育期に、緩効性化成肥料を2か月に1回程度、または液体肥料を月1回ほど与えます。夏と冬は与えません。肥料が多いと色づきが鈍くなりやすいので、控えめにするのがコツです。
肥料で使うもの
▶ マグァンプK 中粒:植え替えのときに用土へ混ぜておく緩効性肥料。量は控えめに
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▶ ハイポネックス原液:春と秋に月1回ほど、薄めて与える液体肥料。夏と冬は与えません
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冬越し・耐寒性
桜牡丹は多肉植物の中では寒さに強く、霜よけをすれば屋外でも冬越ししやすい品種です。ただし霜に当たると葉が傷むので、霜の降りる夜は軒下や室内に取り込みましょう。
桜牡丹を紅葉させるコツ




桜牡丹は葉の色が変わりやすい品種で、春と秋にピンク〜桜色を帯びます。夏の葉は淡い青緑色です。冬の色は肥料の量によって緑〜紫と幅があります。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 日当たり | よく日に当てる。日照不足では色が出にくく、徒長もしやすい |
| 寒さ | 秋の冷え込みに当てる(霜は避ける) |
| 水 | 乾かし気味に。水が多いと徒長して締まらない |
| 肥料 | 控えめに。多いと緑っぽいままになりやすい |
桜牡丹の増やし方

葉ざし・さし芽・株分けで増やせます。適期は植え替えと同じ3〜5月で、秋も可能です。葉ざしでもよく増え、初心者でも増やしやすい品種です。
- STEP1茎を切る
伸びた茎を、下の葉を2〜3枚残して切ります。親株の残った茎からも新しい芽が出ます。
- STEP2切り口を乾かす
切った穂は日陰で2日ほど置いて、切り口を乾かします。
- STEP3用土にさす
乾いた用土にさし、数日たってから水やりを始めます。
- STEP1葉を外す
植え替えのときなどに、付け根からきれいに外れた葉を使います。
- STEP2土の上に置く
乾いた用土の上に葉を並べ、明るい日陰に置きます。
- STEP3根と芽を待つ
根と芽が出たら、少しずつ水やりを始めます。
葉ざし・さし芽で使うもの
▶ ピンセット:外した葉を土の上に並べたり、小さな芽を扱ったりするときに
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植え替え

植え替えの適期は3〜5月です。枯れた葉や茎、傷んだ根を取り除き、根鉢の土を半分ほど落としてから、緩効性肥料を混ぜた新しい用土に植えつけます。幹立ちして姿が乱れた株は、このときに胴切りして仕立て直すとよいでしょう。
植え替えや胴切りの作業に使える、小型の園芸道具セットです。
よくあるトラブルと対策
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 茎がひょろひょろ伸びる(徒長) | 日照不足、水のやりすぎ | 日当たりのよい場所へ移し、水を控える。伸びた茎は春に胴切り |
| 葉がピンクにならない | 日照不足、肥料が多い | よく日に当て、肥料を控える。秋の冷え込みに当てる |
| 株元が黒く溶ける | 軟腐病(過湿・蒸れ) | 傷んだ部分を取り除く。枯れた下葉は早めに取り、梅雨は雨を避ける |
| 白い綿や殻のような虫がつく | カイガラムシ(高温乾燥期) | 見つけしだい取り除く |
| 葉が傷む・透ける | 霜に当たった | 霜の降りる夜は軒下や室内へ |
桜牡丹を飾って楽しむ

コンパクトな鉢植えは、窓辺の明るい場所に飾るとインテリアにもなります。ただし室内では光が不足しやすいので、ときどき屋外の日なたに出して日に当てましょう。幹立ちする性質を生かして、寄せ植えの背の高い位置に使うのもおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. 桜牡丹の別名は?
A. 品種名の ×Graptosedum ‘Ghosty’ から「ゴースティ」とも呼ばれます。販売店によっては「グラプトベリア 桜牡丹」の名前で売られていることもありますが、桜牡丹は朧月とセダムの交配から生まれたグラプトセダム属の品種です。
Q. 桜牡丹と桜月は同じ植物ですか?
A. 別の品種です。桜牡丹は朧月とセダムの交配種(×Graptosedum ‘Ghosty’)で、桜月はグラプトペタルム属の品種(Graptopetalum ‘Sakuraduki’)として流通しています。
Q. 桜牡丹と朧月の見分け方は?
A. よく似ていますが、桜牡丹は葉が重なって塔のように立ち上がり、下葉がピンクに色づきます。花が咲けば、桜牡丹は黄色、朧月は白に赤い斑点なので見分けられます。
Q. 茎が伸びて形が崩れました。どうすればいいですか?
A. 桜牡丹は幹立ちする性質があります。3〜5月に茎を切ってさし芽にすると、コンパクトな姿に仕立て直せます。切った後の親株からも新しい芽が出ます。
まとめ
- 桜牡丹(ゴースティ)は朧月×セダムの交配種で、グラプトセダム属
- 桜月とは別の品種。黄色い花と、重なって立ち上がる葉が目印
- 春秋型。日当たり・風通しのよい場所で、土が乾いてからたっぷり水やり
- 水や肥料が多いと徒長して色づきにくい
- 霜よけをすれば冬越ししやすい。増やすなら葉ざし・さし芽
親にあたる朧月の育て方、同じグラプトセダム属のブロンズ姫、小さな葉の姫秋麗の記事もあわせてご覧ください。


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