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【シャクヤク(芍薬)】の育て方|ボタンとの違い・花型・株分け・生薬としての利用を表で解説

シャクヤク 花

初夏の庭を豪華な大輪の花で彩るシャクヤク(芍薬・ピオニー)。「立てば芍薬、座れば牡丹」とたとえられる美しい花ですが、根は漢方の重要な生薬にもなる植物です。この記事では、NHK出版「みんなの趣味の園芸」と富山県の薬用植物資料をもとに、シャクヤクとボタンの違い、花型、育て方、株分け、生薬としての利用までを表でわかりやすく解説します。

この記事の結論(3行まとめ)
① シャクヤクはボタン科ボタン属の多年草(Paeonia lactiflora)。開花期は5〜6月
② ボタンは冬も枝が残る木本、シャクヤクは冬に地上部が枯れる草本
③ 肥料不足だと咲きにくい。植え替え・株分けは9〜10月。蕾の灰色かび病に注意

シャクヤクとは?

「みんなの趣味の園芸」によると、シャクヤクはボタン科ボタン属の多年草で、学名は Paeonia lactiflora。中国東北部からシベリアにかけての地域が原産で、別名はエビスグサ、ピオニーです。平安時代以前に薬草として日本に伝わり、その後、観賞用として多くの園芸品種がつくられてきました。

学名Paeonia lactiflora
科・属ボタン科・ボタン属
別名エビスグサ、ピオニー
原産地中国東北部〜シベリア
形態多年草(冬は地上部が枯れる)
草丈60〜120cm
開花期5〜6月
耐寒性/耐暑性強い/普通
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤク」

シャクヤクとボタンの違い

項目シャクヤクボタン
分類ボタン科ボタン属ボタン科ボタン属
性質草本(多年草)木本(低木)
冬の姿地上部が枯れ、地中の根や芽で冬越し枝が残る
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤク」

近年は、シャクヤクとボタンの交配種もつくられています(みんなの趣味の園芸)。

花型と品種群

シャクヤクの八重咲きの花
花びらの数が多い豪華な花型
花型特徴
一重咲き・半八重咲きシンプルな花型
金しべ咲き・翁咲き・冠咲き・手まり咲き雄しべが花弁のように変化したタイプ
バラ咲き・半バラ咲き花弁が多く重なる豪華な花型
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤク」
品種群特徴
和シャクヤク一重咲きや翁咲きなど、比較的シンプルですっきりした花形が多い
洋シャクヤクヨーロッパで育成。手まり咲きやバラ咲きなど、弁数が多く香りの強いものが多い
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤク」

シャクヤクの栽培カレンダー

時期主な作業
早春芽出し肥。芽出しのころから殺菌剤で灰色かび病を予防
5〜6月開花。摘蕾(頂点の蕾を残す)、花後は早めに花がら切り+お礼肥
9月株分け(適期)
9〜10月植え替え(鉢植えは2〜3年ごと)
秋花芽ができる時期に追肥
冬地上部が枯れる。寒肥(有機質の固形肥料)
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤクの育て方・栽培方法」をもとに作成

シャクヤクの育て方

置き場所・土づくり

日当たりと水はけがよく、有機物に富んだ肥沃で乾燥しない場所が適しています。明るい半日陰でも育ちます。「みんなの趣味の園芸」では、葉によく日が当たり、地表は陰になるような環境が理想的とされ、堆肥や腐葉土を混ぜて土づくりをし、株元をマルチングして地温の上昇と乾燥を防ぐとよいとしています。

水やり

栽培方法水やりの目安
鉢植え鉢土の表面が乾いたら与え、水切れさせない
庭植えほとんど不要。極端に乾燥するときは地中深くまでたっぷり
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤクの育て方・栽培方法」

肥料:不足すると咲きにくい

シャクヤクは肥料が不足すると花が咲きにくくなります。季節ごとに肥料を与えましょう(みんなの趣味の園芸)。

名前時期肥料
元肥植えつけ時緩効性化成肥料
芽出し肥早春追肥
お礼肥花後追肥
追肥花芽ができる秋草花用化成肥料
寒肥冬有機質の固形肥料
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤクの育て方・栽培方法」

用土・植え替え

鉢植えは8号以上の大鉢に、赤玉土中粒4・鹿沼土4・腐葉土2などの水はけのよい用土で植えます。鉢植えは2〜3年ごとに9〜10月に植え替え、庭植えは一度植えたら動かさず5〜10年据え置きます(みんなの趣味の園芸)。

摘蕾・花がら切り

頂点の大きな蕾だけを残し、わきの蕾は摘み取ると大輪の花が咲きます。開花後は早めに花がらを切り取り、病気の予防と株の消耗防止を図りましょう(みんなの趣味の園芸)。

株分けで増やす

株分けの手順(9月)
  • STEP1
    掘り上げる

    根をなるべく切らないように株を掘り上げます。

  • STEP2
    分ける

    3〜5芽程度ずつに分けます。

  • STEP3
    葉を切り詰める

    葉は半分以下に切り詰めます。

  • STEP4
    植えつける

    堆肥などで土づくりした場所に植えつけます。

病害虫と対策

症状主な原因対策
蕾が咲かずに腐る灰色かび病芽出しのころから数回殺菌剤を散布(ラベルを確認)
葉に白い粉うどんこ病土づくりと栽培環境の改善
葉が枯れる葉枯れ病同上
新芽に虫・葉が食べられるアブラムシ、ヨトウムシ見つけしだい駆除
地際の茎に穴があくコウモリガの幼虫被害茎を確認して駆除
根にこぶができるネコブセンチュウ土づくりと栽培環境の改善
出典:みんなの趣味の園芸「シャクヤクの育て方・栽培方法」

生薬「芍薬」としてのシャクヤク

富山県の薬用植物資料によると、シャクヤクの根は生薬「シャクヤク(芍薬)」として日本薬局方に規格が定められ、ペオニフロリン2.0%以上を含むことが求められています。漢方の重要生薬の一つで、婦人薬として利用度が高く、当帰芍薬散、芍薬甘草湯、葛根湯などに配合されます。

項目内容
薬用部位根
規格成分ペオニフロリン 2.0%以上(乾燥物換算)
主な処方例当帰芍薬散、芍薬甘草湯、葛根湯
栽培期間薬用品種で4年、切花用品種で約8年
国内消費(平成20年度)約1,164トン(中国産 約1,123トン、日本産 約41トン)
出典:富山県「シャクヤク」(薬用植物栽培資料)

⚠ 注意
生薬として使われるのは、規格に適合するよう栽培・調製された根です。庭のシャクヤクを自己判断で薬として使うのはやめましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 花が咲きません。

A. 肥料不足が考えられます。芽出し肥・お礼肥・秋の追肥・寒肥を忘れずに。日当たりも大切です(みんなの趣味の園芸)。

Q. 蕾が茶色くなって咲きません。

A. 灰色かび病の可能性があります。芽出しのころから殺菌剤で予防しましょう(みんなの趣味の園芸)。

Q. 冬に地上部が枯れてしまいました。

A. シャクヤクは草本で、冬は地上部が枯れて根と芽で冬越しします。春にまた芽を出します。

まとめ

  • シャクヤクはボタン科ボタン属の多年草(Paeonia lactiflora)。冬は地上部が枯れる
  • ボタンは木本、シャクヤクは草本。花型も一重〜バラ咲きまで多彩
  • 肥料不足だと咲きにくいので、季節ごとに施肥
  • 植え替え・株分けは9〜10月。庭植えは5〜10年据え置き
  • 根は生薬「芍薬」として当帰芍薬散などの漢方に使われる

ほかの花の育て方は、アジサイやパンジー・ビオラの記事もあわせてご覧ください。

参考文献

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