夏の朝、涼しげな花を開くアサガオ(朝顔)。小学校で育てた思い出のある人も多い、日本の夏を代表する草花です。この記事では、NHK出版「みんなの趣味の園芸」と、九州大学 仁田坂英二准教授への取材記事(サライ.jp)をもとに、アサガオの特徴と歴史、タネまきのコツ、あんどん仕立て、タネ採りまでを表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の一年草(Ipomoea nil)。奈良時代に中国から渡来
② タネは皮が硬いので、へそを避けて種皮を少し削ってから5月中旬〜下旬にまく
③ 開花期は7月中旬〜10月上旬。短日植物なので夜間の照明に注意。花がらは毎日摘む
アサガオとは?




「みんなの趣味の園芸」によると、アサガオはヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草で、学名は Ipomoea nil。熱帯から亜熱帯地域が原産です。あんどん仕立てやグリーンカーテンで楽しまれるほか、つるが伸びない矮性種もあります。花色は白、ピンク、青、紫のほか、花びらの中心から白い筋が放射状に入る「曜白(ようじろ)」などの模様もあります。
| 学名 | Ipomoea nil |
| 科・属 | ヒルガオ科・サツマイモ属 |
| 原産地 | 熱帯〜亜熱帯地域(中南米とする解説も) |
| 形態 | つる性一年草 |
| 開花期 | 7月中旬〜10月上旬 |
| 花色 | 白、ピンク、青、紫、曜白などの模様 |
| 耐寒性/耐暑性 | 弱い/強い |
| 性質 | 短日植物。一日花 |
アサガオの歴史と「変化朝顔」
アサガオは日本原産ではなく、奈良時代に中国から渡来し、薬草として用いられたのが始まりです。観賞用に栽培されるようになったのは江戸時代で、大輪アサガオや、葉や花が変わった形の「変化咲きアサガオ」が大流行しました(みんなの趣味の園芸)。
| 時代 | できごと |
|---|---|
| 奈良時代 | 中国から渡来。薬草として利用 |
| 江戸時代(文化・文政期) | 第1次ブーム。多くの変化が見つかる |
| 江戸時代末期 | 第2次ブーム。原種とかけ離れた姿のアサガオも登場 |
| 現代 | 変化朝顔の変異の原因が「動く遺伝子(トランスポゾン)」と明らかに |
九州大学の仁田坂英二准教授によると、変わった形の変化朝顔は「出物(でもの)」と呼ばれ、タネを結ばない変異をもっています。そのため、変異を受け継ぐタネをもつ兄弟株(親木)からタネを採って系統を保存してきました(サライ.jp)。
アサガオの栽培カレンダー
| 時期 | 作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 5月中旬〜下旬 | タネまき | 発芽適温20〜25℃。早まきは避ける |
| 本葉が出始めたら | ポット苗の植えつけ | 根を切らないように移植 |
| 本葉5〜8枚 | 摘心(あんどん仕立て) | わき芽を1本残して支柱へ誘引 |
| 〜7月中旬 | 追肥 | 10日に1回、チッ素分の少ない液肥。7月中旬で中止 |
| 7月中旬〜10月上旬 | 開花・花がら摘み | 毎日咲き終わった花を摘む |
| 8月ごろ〜 | 子づるの整理 | 大輪を咲かせたいなら子づるを取る |
| 秋 | タネ採り | 翌春まで冷暗所で保管 |
アサガオの育て方
タネまきのコツ
- STEP1種皮を削る
アサガオのタネは表皮が硬い「硬実種子」。へそを傷つけないよう、ヤスリなどで種皮の一部を削ります。市販のタネは処理済みのこともあるので、タネ袋を確認しましょう。
- STEP2まく
発芽適温は20〜25℃。早まきは避け、覆土は1〜2cmにします。
- STEP3植えつけ
ポット苗は本葉が出始めたころ、根を切らないように移植。あんどん仕立てなら5〜6号鉢に1株、庭植えは30cm間隔。
置き場所

日当たりと風通しのよい場所で育て、真夏は葉がしおれやすいので西日を避けます。アサガオは短日植物なので、夜間に照明が当たらないよう注意しましょう。夜も明るい場所ではつぼみがつきにくくなります(みんなの趣味の園芸)。
水やり
| 時期 | 水やりの目安 |
|---|---|
| 花が咲くまで | やや控えめに |
| 花が咲き始めたら | 乾かさないようたっぷり |
| 夏 | 朝夕の2回。気温が上がる前に |
用土・肥料
用土は腐植質に富み、水はけのよいものを。市販の草花用培養土に牛ふん堆肥と川砂を各1割ほど加えるとよいでしょう。肥料は元肥に緩効性肥料を混ぜ、その後は10日に1回程度、チッ素分の少ない液体肥料を与え、7月中旬からは中止します(みんなの趣味の園芸)。
あんどん仕立てのやり方

- 本葉が5〜8枚になったら摘心し、わき芽を出させる
- 最も元気なわき芽を1本残し、ほかは取り除く
- 1本のつるを、下から見て左巻きに支柱へ誘引する
- つるがややしおれているときに誘引すると折れにくい
- 8月ごろから出る子づるは、大輪を咲かせたいなら取り除く
摘心せずに1本のつるをそのまま伸ばして誘引する方法もあります(みんなの趣味の園芸)。
花がら摘みとタネ採り
アサガオは一日花で、開花の翌日にはしぼみます。タネをつけないよう、毎日咲き終わった花を摘み取りましょう。タネを採る場合は、同じ形質にはならないことを知っておきましょう。自家受粉を続けると品質が低下しやすいので、好みの株を2株用意して人工受粉するとよいとされています。採ったタネは翌春まで冷暗所で保管します(みんなの趣味の園芸)。
病害虫と対策
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 葉のつやがなくなる | ハダニ | 葉裏を確認し、見つけしだい駆除 |
| 葉裏に白い虫、揺すると飛ぶ | オンシツコナジラミ | 見つけしだい駆除 |
| 葉が食べられる | ヨトウムシ | 発生したら捕殺 |
よくある質問(FAQ)
Q. つるばかり伸びて花が咲きません。
A. 夜間に照明が当たっていないか確認しましょう。アサガオは短日植物です。また、7月中旬以降も肥料を与え続けると、つるばかり伸びることがあります(みんなの趣味の園芸)。
Q. タネをまいても芽が出ません。
A. 皮が硬い硬実種子なので、へそを避けて種皮を少し削ってからまきましょう。発芽適温は20〜25℃なので、5月中旬以降まで待つのがコツです。
Q. 変化朝顔とは?
A. 江戸時代に大流行した、葉や花が変わった形のアサガオです。変わった形の株は「出物」と呼ばれ、多くはタネを結ばないため、兄弟株からタネを採って系統を保存してきました(サライ.jp)。
まとめ
- アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の一年草(Ipomoea nil)。奈良時代に中国から渡来
- タネは種皮を少し削ってから、5月中旬〜下旬にまく
- 短日植物なので夜間の照明に注意。真夏は西日を避ける
- 肥料は10日に1回のチッ素少なめの液肥を7月中旬まで
- 一日花なので花がらは毎日摘む。タネは冷暗所で保管
ほかの夏の花は、ヒマワリやメランポジウムの記事もあわせてご覧ください。


コメント