チョコレートのような黒紫色の葉が重なる、シックな雰囲気のブラックプリンス。明るい色の多肉植物と寄せ植えすると、ぐっと引き締まった印象になるエケベリアの交配種です。この記事では、ブラックプリンスの特徴・交配の歴史・黒く色づかせるコツ・季節ごとの管理を表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① ブラックプリンスはエケベリアの交配種。E. shaviana(種子親)×E. affinis(花粉親)として作出された
② 若い葉は赤褐色で、成熟すると黒に近い色に。明るい光で色と形がよく保たれる
③ 春秋型。夏は強い午後の日差しと蒸れを避け、冬は霜に当てない(耐寒の目安はZone 10=約-1℃)
ブラックプリンスとは?

ブラックプリンスはベンケイソウ科エケベリア属の交配種(Echeveria ‘Black Prince’)です。Echeveria shaviana(シャビアナ)に E. affinis(アフィニス)の花粉をつけてつくられた交配種で、葉は肉厚の三角形。若い葉は赤褐色で、成熟するとほぼ黒になり、低く締まったロゼットをつくります。
| 名前 | Echeveria ‘Black Prince’ |
| 科・属 | ベンケイソウ科・エケベリア属 |
| 交配親 | E. shaviana(種子親)× E. affinis(花粉親) |
| 大きさ | 高さ・株張り10〜25cm、花茎は約60cm |
| 葉 | 肉厚の三角形。若葉は赤褐色→成熟するとほぼ黒 |
| 花 | サーモン〜赤。春と秋に花茎を伸ばす |
| 生育型 | 春秋型(エケベリア) |
| 耐寒性の目安 | Zone 10(約-1℃)。強い霜には耐えない |
交配の歴史と名前の混乱
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作出者 | フランク・ライネルト(Frank Reinelt、米国カリフォルニア州キャピトラ) |
| 発表 | 1970年、Abbey Gardens(CSSA Journal 5〜6月号) |
| 当初の記載 | 葉は薄く、はじめ三角形で次第にへら形に。ロゼットは約3インチ(約7.5cm)、色は黒ではなく暗いラベンダーブラウン |
国際ベンケイソウ科ネットワークの関係者は、現在「ブラックプリンス」として流通している株は、必ずしも元の交配親から生まれたものではないと指摘しています。「エケベリア・インブリカータ・ブラックプリンス」というラベルも見られますが、インブリカータは1870年代につくられた別の交配種なので、正しくは単に ‘Black Prince’ と呼ぶべきとされています。
黒く色づかせるコツ

| 条件 | 葉色・姿 |
|---|---|
| 明るい光に当てる | 色と締まった形が保たれる |
| 真夏の強光+乾燥 | 銅色がかったオレンジに退色することがある |
| 日照不足 | 緑が多くなり、間のびしやすい |
| 紅葉期の肥料過多 | エケベリアは紅葉期に肥料分が多いと発色がくすむ |
ブラックプリンスの育て方(季節別)
| 季節 | 置き場所 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|
| 春(4〜6月) | 日当たりのよい戸外 | 用土の表面が乾いたらたっぷり | 植え替え・株分け・葉ざし・少量の施肥 |
| 梅雨〜夏 | 雨を避け、風通しのよい半日陰(午後の強い日差しを避ける) | 控えめ | 休眠期。蒸れに注意 |
| 秋(9〜11月) | 戸外の日当たりのよい場所 | 用土の表面が乾いたらたっぷり | 施肥は早めに。色づきを楽しむ |
| 冬 | 最低気温5℃を下回ったら室内の明るい場所 | 控えめ | 霜・凍結に当てない |
置き場所
明るい間接光のもとでよく育ち、強い午後の日差しから守ること、風通しをよくし、涼しい環境を好むことが挙げられます。シンガポールのような暑い地域では、開花には低温が必要なためめったに咲かないとされています。日本では春秋型エケベリアとして、春・秋は日当たり、夏は半日陰で管理しましょう。
水やり・用土
過湿で腐りやすいので、水はけのよい土を使い、水やりは控えめにします。鉢底から流れ出るまでたっぷり与えたら土が完全に乾くまで次の水やりを待つ方法と、鉱物質(軽石・粗い砂・パーライト)を50〜70%含む用土が勧められています。
肥料
エケベリアの肥料は、春と秋の生育期に緩効性化成肥料か液体肥料を少量。秋は紅葉の発色を保つため早めに済ませます。
植えつけ時の元肥には、ゆっくり効く粒状の肥料が手軽です。
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植え替え
エケベリアの植え替えは2〜3年に1回、生育期の直前か初期が適期です。
増やし方
| 方法 | やり方 |
|---|---|
| 子株(株分け) | 株元にできた子株を外して植える |
| さし芽 | 茎を切ってさす |
| 葉ざし | 成熟した葉をつけ根ごと外して置く |
葉ざしやさし芽の発根を助けたいときは、切り口に発根促進剤をつけておく方法もあります。
・ルートン(Amazon)
病害虫
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 茎や葉に白い綿・殻状の虫 | カイガラムシ | 見つけしだい防除 |
| 新芽や花に小さな虫 | アブラムシ、アザミウマ | 見つけしだい防除 |
| 根に白い虫 | ネジラミ | 植え替え時に根を洗う |
| 株元が腐る | 過湿・蒸れ | 水を控え、風通しをよくする |
よくある質問(FAQ)
Q. 葉が緑っぽくなってしまいました。
A. 光が足りない可能性があります。明るい光で色と形が保たれます。
Q. ペットがいても大丈夫?
A. 犬や猫に無毒とされるエケベリアの仲間ですが、ブラックプリンスという品種そのものを調べた評価は見当たりません。かじったり食べたりしないよう、手の届かない場所に置くと安心です。
Q. 成長が遅いのですが?
A. 成長がゆっくりな品種とされています。焦らず、水を控えめにして育てましょう。
まとめ
- ブラックプリンスはE. shaviana×E. affinisとしてつくられたエケベリアの交配種
- 若い葉は赤褐色、成熟するとほぼ黒。明るい光でよく色づく
- 春秋型。夏は午後の強い日差しと蒸れを避け、冬は霜に当てない
- 水は土が完全に乾いてから。水はけのよい用土で
- 子株・さし芽・葉ざしで増やせる
エケベリアの基本はエケベリアの育て方入門、交配親のシャビアナはシャビアナの記事もあわせてご覧ください。


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