シカの角のような葉を広げる、個性的な観葉植物ビカクシダ(コウモリラン)。樹木に着生するシダの仲間で、板に付けて壁に飾る楽しみ方もできます。この記事では、我が家で育てているビカクシダの写真とともに、2種類の葉のしくみ、主な種類、置き場所・水やり・肥料、鉢植えと板付け、株分けでの増やし方、病害虫を表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① ビカクシダはウラボシ科の着生シダ。株元に張りつく「貯水葉(外套葉)」と、シカの角のような「胞子葉」の2種類の葉をもつ
② 一年中、日当たりのよい場所で。日陰では株が弱る。寒さに弱く、冬は乾かし気味に
③ 植え替え・株分けは5〜8月。大きくなったらヘゴ板などに水ゴケで着生させると育てやすい
ビカクシダとは?特徴と基本データ

ビカクシダは、世界の熱帯に自生するウラボシ科ビカクシダ属のシダ植物で、樹木に着生して育ちます。別名は「コウモリラン」です。
和名の「麋角羊歯(びかくしだ)」の麋角はヘラジカの角のことで、葉がシカの角に似ていることに由来します。学名のPlatyceriumも、ギリシャ語の「広い(platys)」と「角(keras)」を組み合わせた「広い角」という意味です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Platycerium |
| 別名 | コウモリラン |
| 分類 | ウラボシ科ビカクシダ属の多年草(着生シダ) |
| 原産地 | 世界の熱帯(アフリカ・マダガスカル、東南アジア〜オーストラリア、南米) |
| 草丈 | 10cm〜1.5m |
| 耐暑性 / 耐寒性 | 強い / 弱い |
| 増やし方 | 株分け |
2種類の葉のしくみ
ビカクシダの大きな特徴は、役割の違う2種類の葉をもつことです。
| 葉 | 特徴 |
|---|---|
| 貯水葉(外套葉) | 株元に張りつくように出る、幅の広い葉。落ち葉を集めて腐植としてため、養分として利用する |
| 胞子葉 | シカの角のように細長く伸びて裂ける葉。光合成を行い、先端の裏側に胞子嚢群をつける |
ビカクシダの主な種類

熱帯の各地に15〜18種ほどが知られています。観葉植物として最もよく出回っているのは、ビフルカツムです。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ビフルカツム | インドネシア、太平洋諸島、オーストラリアなどに分布。貯水葉や胞子葉が比較的小型で、最もよく栽培される |
| ウィリンキー | ビフルカツムの亜種とされる。胞子葉が長く垂れ下がる |
| スパーバム | オーストラリア原産の大型種。貯水葉が鉢に巻きつくように広がった形で売られていることが多い |
| エレファントティス | 熱帯アフリカ原産。大型にはならず、貯水葉に切れ込みが入らない |
| グランデ | フィリピンに分布する |
| アンディナム | ペルー、ボリビアに分布する、南米で唯一の種 |
ビカクシダの育て方
| 作業 | ポイント |
|---|---|
| 置き場所 | 一年中、日当たりのよい場所。日陰では株が弱る |
| 水やり | 春〜秋は用土が乾いたら。冬は乾かし気味に |
| 肥料 | 年1回、緩効性化成肥料の置き肥 |
| 用土 | 腐植質で水はけのよい土。板付けは水ゴケ |
| 植え替え | 5〜8月 |
| 増やし方 | 株分け。5月中旬〜8月 |
置き場所・日当たり
ビカクシダは、一年を通して日当たりのよい場所で育てます。日陰に置くと株が弱るので注意しましょう。耐寒性は弱いので、冬の寒さには注意しましょう。
室内で日当たりが足りないときは、植物育成ライトで光を補う方法もあります。
室内の窓辺の光が足りないときに補う、植物育成ライトの例です。

水やり
春から秋は、用土が乾いたら水を与えます。冬は乾かし気味に管理しましょう。
肥料
肥料は年1回、緩効性化成肥料を置き肥する程度で十分です。
肥料で使うもの
▶ プロミック いろいろな植物用:年1回、鉢や水ゴケの上に置く置き肥タイプの緩効性肥料
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鉢植えと板付け

ビカクシダは鉢植えでも育てられますが、もともと樹木に着生する植物です。株が大きくなったら、ヘゴ板などに着生させると育てやすくなります。
| 仕立て方 | ポイント |
|---|---|
| 鉢植え | 腐植質で水はけのよい用土。ピートモス7・パーライト2・軽石小粒1の配合土など |
| 板付け | ヘゴ板などに、水ゴケを使って着生させる |
| 吊り鉢 | 貯水葉が鉢に巻きついた株は、吊り鉢として楽しめる |
植え替えの適期は5〜8月です。
鉢植えで手軽に育てるなら、市販の観葉植物用の培養土を使う方法もあります。
板付けで使うもの
▶ 水苔(日清 超圧縮水苔):ヘゴ板などに着生させるときに、根のまわりを包む水ゴケ
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ビカクシダの増やし方(株分け)

ビカクシダは株分けで増やせます。適期は5月中旬から8月です。
- STEP1子株をはがす
親株のまわりに出た子株を、はがすように取る
- STEP2植えつける
ヘゴ板や、水ゴケを入れた鉢に植える
- STEP3明るい日陰で管理
株分けのあと1か月ほどは、明るい日陰に置く
病害虫と手入れ
| 病害虫 | 発生時期 | 対策 |
|---|---|---|
| 炭そ病 | 春〜秋 | 病気の部分を見つけたら取り除く |
| カイガラムシ | 一年中 | 見つけたら早めに駆除する |
株元にまく粒剤の例です。対象の害虫と植物は、ラベルの表示で確認しましょう。
胞子葉が枯れてきたら、早めに取り除きましょう。
ペットへの影響
ビカクシダ(ビフルカツム、アルシコルネ)は、犬や猫に対して毒性のない植物とされています。ただし、どんな植物でも食べると嘔吐や胃腸の不調を起こすことがあるので、かじらせないようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 板付けにするのはいつ?
A. 株が大きくなったら、植え替えの適期の5〜8月に、ヘゴ板などに水ゴケを使って着生させると育てやすくなります。
Q. 元気がなく、葉が弱々しくなってきました。
A. 日当たり不足が考えられます。日陰に置くと株が弱るので、一年を通して日当たりのよい場所で育てましょう。
Q. 冬の水やりはどうする?
A. 冬は乾かし気味に管理します。耐寒性が弱いので、寒さにも注意しましょう。
まとめ

- ビカクシダはウラボシ科の着生シダ。和名・学名とも「角」に由来する
- 株元の貯水葉(外套葉)と、シカの角のような胞子葉の2種類の葉をもつ
- 一年中、日当たりのよい場所で。冬は乾かし気味に
- 大きくなったらヘゴ板などに水ゴケで着生させると育てやすい
- 植え替え・株分けは5〜8月。株分け後1か月は明るい日陰で


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