秋のお彼岸のころ、田んぼのあぜや土手を真っ赤に染めるヒガンバナ(彼岸花)。花が咲くときには葉がなく、花が終わってから葉が伸びるという不思議な生活をする球根植物です。この記事では、ヒガンバナの特徴・仲間のリコリスの種類・育て方と、誤食による食中毒の注意点を表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属(Lycoris radiata)。9月中旬に赤い花を咲かせる
② 花後の秋に葉が出て、初夏に枯れる。球根の植えつけは6〜7月、深さ約10cm
③ ヒガンバナ科の植物は有毒成分を含む。ニラやノビルと間違えて食べないよう注意
ヒガンバナとは?




ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の多年草で、学名は Lycoris radiata、別名マンジュシャゲ。リコリスの仲間でもっともなじみのある種類で、9月中旬に40cmほどの茎の先に赤い花を咲かせます。日本では従来あまりよいイメージがなく生産も多くありませんでしたが、欧米での人気の高まりとともに価値が見直されています。
| 学名 | Lycoris radiata |
| 科・属 | ヒガンバナ科・ヒガンバナ属(リコリス属) |
| 別名 | マンジュシャゲ |
| 原産地(リコリス属) | 日本、中国 |
| 草丈(リコリス属) | 20〜50cm |
| 開花期(リコリス属) | 7月中旬〜10月中旬(ヒガンバナは9月中旬) |
| 耐寒性/耐暑性 | 強い/強い |
花と葉が同時に見られない理由

リコリスの仲間は、種類によって葉の出る時期が違います。ヒガンバナは秋(花後)に葉を出し、初夏には葉がすべて枯れます。夏の終わりに葉のない地面から花茎だけが伸びて咲くのはこのためです。1つの花の開花期間は1週間ほどと短めです。
ヒガンバナの仲間(リコリス)の種類
| 名前 | 学名 | 花色 | 開花 | 葉が出る時期 |
|---|---|---|---|---|
| ヒガンバナ | L. radiata | 赤 | 9月中旬 | 秋(花後) |
| シロバナマンジュシャゲ | L. albiflora | 白・クリーム・薄ピンク | 9月上旬 | 花後 |
| キツネノカミソリ | L. sanguinea | - | 7月中・下旬 | 春 |
| ナツズイセン | L. squamigera | 青みのある花弁 | 9月上旬 | 春 |
| ショウキズイセン | L. traubii | 鮮やかな黄色 | 10月上・中旬 | - |
| リコリス・インカルナータ | L. incarnata | 薄ピンクに桃紫の筋 | 8月上・中旬 | - |
リコリス属全体では、赤・白・黄・オレンジ・ピンク・青・紫・複色と花色が豊富です。
黄色い花のリコリス
ヒガンバナの仲間(リコリス)には、黄色い花を咲かせる種類もあります。花の形はヒガンバナとよく似ていて、反り返った花びらと長く突き出た雄しべが特徴です。




⚠ 有毒植物です:誤食に注意
| 植物 | 間違えやすい植物 | 事件数 | 患者数 | 死亡数 |
|---|---|---|---|---|
| ヒガンバナ | ニラ、ノビル、タマネギ | 1件 | 2人 | 0人 |
⚠ 食べられる植物と確実にわからないものは採らない・食べない
ヒガンバナ科の植物にはリコリンなどのヒガンバナアルカロイドが含まれ、有毒成分となります(同じヒガンバナ科のスイセンでは全草が有毒で、特に鱗茎に多く含まれます)。ヒガンバナはニラ・ノビル・タマネギと間違えやすい植物として挙げられています。葉が出ている秋〜春は特に注意し、庭に生えている球根や葉を食用の植物と一緒に扱わないようにしましょう。
ヒガンバナ(リコリス)の栽培カレンダー
| 時期 | 主な作業・状態 | ポイント |
|---|---|---|
| 6〜7月 | 球根の植えつけ | 入手したらすぐ植える。深さ約10cm |
| 6〜8月 | 分球(葉が黄変したら) | 掘り上げて植え分ける |
| 7月中旬〜10月中旬 | 開花(ヒガンバナは9月中旬) | 鉢植えは花茎が出たら水やり開始 |
| 秋〜春 | 葉が茂る | 鉢植えは土が乾いたらたっぷり |
| 冬 | 寒肥(植えっぱなしの場合) | 牛ふん堆肥+カリ多めの根菜用化成肥料 |
| 初夏 | 葉が枯れて休眠 | 水やりを止める |
ヒガンバナの育て方
置き場所
日当たりを好みますが、明るい半日陰でも育ちます。過湿を嫌うので、水はけの悪い場所では高畝にして植えます。
水やり
| 栽培方法 | 水やりの目安 |
|---|---|
| 庭植え | 不要 |
| 鉢植え | 夏に花茎が出てから初夏に休眠するまで、鉢土がよく乾いたらたっぷり |
用土・肥料
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用土(鉢植え) | 赤玉土小粒7・腐葉土2・牛ふん堆肥1など |
| 元肥 | 1㎡あたり窒素10g・リン酸25g・カリ25g程度。リン酸とカリが重要 |
| 追肥 | 植えつけた年は不要。植えっぱなしなら冬に寒肥 |
リン酸を多く含む緩効性肥料は、植えつけ時に用土へ混ぜる元肥として使えます。使用量はラベルの表示に従いましょう。
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植えつけ
適期は6〜7月で、球根を入手したらすぐに植えます。球根の底が深さ約10cmになるように、庭植えは約10cm間隔、鉢植えは6号鉢に4〜5球が目安です。花後にも植えられますが、開花は翌々年になります。
増やし方(分球)
- STEP1葉が黄色くなるのを待つ
6〜8月、葉が黄変したら作業します。
- STEP2掘り上げる
球根を掘り上げます。
- STEP3植え分ける
自然に分かれた球根を離して植えつけます。
病害虫は特に問題となるものはありません。
名前の由来
「ヒガンバナ(彼岸花)」は、秋のお彼岸のころに咲くことから名付けられました。
よくある質問(FAQ)
Q. 植えたのに花が咲きません。
A. 花後に植えた球根は、開花が翌々年になります。6〜7月に植えるのが適期です。
Q. 夏に葉がなくなりました。枯れた?
A. ヒガンバナは初夏に葉が枯れて休眠します。秋に花が咲き、その後また葉が出ます。
Q. 鉢植えで室内に飾れますか?
A. 日当たりを好むので戸外で育てましょう。ヒガンバナ科の植物は有毒成分を含むので、子どもやペットのいる家庭では置き場所に注意してください。
まとめ
- ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属。別名マンジュシャゲ
- 9月中旬に赤い花が咲き、花後に葉が出て初夏に枯れる
- 日当たりと水はけのよい場所で。球根は6〜7月に深さ約10cmに植える
- 肥料はリン酸とカリが重要。増やすのは分球で
- 有毒成分を含む。ニラやノビルと間違えて食べないよう注意
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