秋の道端や林のふちで、白・水色・ピンク・紫・青と、宝石のようにカラフルな実をつけるつる植物。それがノブドウ(野葡萄)です。この記事では、ノブドウの特徴・実の色が変わるしくみ・食べられない理由に加えて、鉢植えや庭での育て方・剪定・挿し木での増やし方を表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① ノブドウはブドウ科ノブドウ属の落葉つる植物(Ampelopsis glandulosa var. heterophylla)
② 実は緑→白緑→ピンク→赤紫→青→黒と色が移り変わり、「錦ブドウ」とも呼ばれる
③ 実はタンニンが多く渋く、虫が寄生した実も多いため生食はできない
ノブドウとは?



ノブドウはブドウ科ノブドウ属の植物で、学名は Ampelopsis glandulosa var. heterophylla。落葉性の木本性つる植物で、日本を含む東アジアの草地・低木林・林縁に生えるとされています。英名は porcelain-berry(磁器の実)です。
ノブドウは南千島・北海道〜琉球の山野で一般的に見られ、朝鮮半島や中国まで分布するつる性の亜低木。葉と向かい合うようにつく2〜3に分かれた巻きひげで樹木やフェンスに巻きつき、覆うように茂ります。
| 和名 | ノブドウ(野葡萄) |
| 学名 | Ampelopsis glandulosa var. heterophylla |
| 科・属 | ブドウ科・ノブドウ属 |
| 別名・地方名 | 錦ブドウ、ドクボッコ・ブスノミ(只見町) |
| 英名 | porcelain-berry |
| 形態 | 落葉性のつる植物(つる性の落葉低木) |
| 分布 | 南千島・北海道〜琉球、朝鮮半島、中国 |
| 花期 | 7〜8月(白い小さな花) |
| 果実 | 直径1cmほど。秋に白〜空色〜紫などに色づく |
実の色が変わるのはなぜ?

ノブドウの果実は始めは緑色、後に薄い白緑色、ピンク、赤紫、青、黒へと変化し、この色の移り変わりの美しさから「錦ブドウ」という別名があると紹介されています。
| 段階 | 実の色 |
|---|---|
| 1 | 緑色 |
| 2 | 薄い白緑色 |
| 3 | ピンク |
| 4 | 赤紫 |
| 5 | 青 |
| 6 | 黒 |
色づいた実の中には、きれいな球形のものに加えて不規則にゆがんでひとまわり大きい実もあり、その多くは小さな虫に寄生された「寄生果」です。
ノブドウの実は食べられる?
⚠ 生では食べられません
ノブドウの果実には多量のタンニンが含まれるため渋みがあり、果肉も乏しくて生食はできません。さらに虫に寄生された実も多いので、ブドウのように食べるのはやめましょう。
民間での利用
只見町では、ノブドウは「ドクボッコ」「ブスノミ」と呼ばれ、乾燥させた果実を焼酎に漬けた液を患部にぬる、はれものに果実をつぶしてつける、といった民間での利用が伝わっています。医学的な効果が確かめられたものではないので、地域の文化として紹介します。
葉の形がいろいろ
ノブドウの葉は掌状で3〜5裂に深く切れ込み、先がとがります。葉の形の変化が大きく、1つの株の中でもさまざまな形の葉が見られるのが特徴です。
よく似た植物との違い
| 名前 | 学名 | 分類 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ノブドウ | Ampelopsis glandulosa var. heterophylla | ブドウ科ノブドウ属 | 実がカラフル。渋くて生食できない |
| ヤマブドウ | Vitis coignetiae | ブドウ科ブドウ属 | 別属の野生ブドウ |
| グレープアイビー | Cissus rhombifolia | ブドウ科シッサス属 | 観葉植物として流通 |
同じ種の中には、ケノブドウ(var. glandulosa)、テリハノブドウ(var. hancei)、葉の切れ込みが深いキレハノブドウ(f. citrulloides)なども知られています。
観察のポイント
- 7〜8月:白い小さな花が咲く
- 秋:実が白〜空色〜紫・青などに色づく。1つの房でも色がさまざま
- 巻きひげ:葉と向かい合ってつき、2〜3に分かれる
- 葉:同じ株でも切れ込みの深さがいろいろ
道端や公園の林のふち、フェンスなどで見つけやすい植物です。狛江橋のたもとでミズキやモミジの木を覆っている様子が紹介されています。
ノブドウの育て方
ノブドウは暑さにも寒さにも強く、土質を選ばない丈夫なつる植物です。園芸店では、葉に白やピンクの斑が入る斑入りノブドウ(錦ノブドウ)が多く出回っており、フェンスやトレリスに這わせたり、鉢植えであんどん仕立てにしたりして楽しめます。
| 項目 | 育て方のポイント |
|---|---|
| 置き場所 | 日当たりと風通しのよい場所。半日陰でも育つが、日照が足りないと花つきが悪くなる |
| 耐暑性 / 耐寒性 | 強い / 強い(落葉して冬越しする) |
| 用土 | 土質は選ばない。鉢植えは草花用の培養土でよい |
| 水やり | 庭植えは根づいたら雨まかせ。鉢植えは鉢土の表面が乾いたらたっぷり |
| 肥料 | ほぼ不要。鉢植えは植え替えのときに元肥を少し入れる程度 |
| 植え替え | 鉢植えは1〜2年に1回、一回り大きな鉢へ |
| 剪定 | 冬の落葉期(1月ごろ)に、絡んだつるや伸びすぎたつるを切り詰める |
| 増やし方 | 挿し木 |
| 病害虫 | 目立った被害は少ない |
鉢植えにするときは、植えつけや植え替えのときに緩効性の元肥を少し混ぜておけば、追肥はほぼいりません。
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年間の管理
| 季節 | 株の様子 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 春 | 芽吹き。斑入り種は芽吹きのころは斑が少なめ | 鉢植えの植え替え |
| 夏 | 開花。つるが旺盛に伸びる | つるを定期的に誘引する。斑入り種の緑葉のつるは早めに切る |
| 秋 | 実が色づく | 実を観賞する |
| 冬 | 落葉 | 剪定(伸びすぎたつる・絡んだつるを整理) |
つるの誘引と剪定
夏以降はつるがよく伸び、近くのものに巻きひげで絡みつきます。定期的に誘引して、伸ばしたくない方向に絡まないようにするのがコツです。大きさを抑えたいときは、葉が落ちた冬に伸びすぎたつるを切り詰めておくと、初夏以降の管理が楽になります。
斑入りノブドウの斑を保つコツ
斑入り種は原種より生長がやや穏やかです。夏の高温期には緑葉になることがありますが、翌春の新しい葉には斑が入ります。ただし、斑のない緑葉のつるが出たら早めに切り取りましょう。放っておくと緑葉のつるが勢いよく伸びて、株全体が緑葉に戻っていきます。
- STEP1枝を選ぶ
元気なつるを切り取り、挿し穂にします。
- STEP2土にさす
下の葉を取り除き、清潔な用土にさします。
- STEP3乾かさずに管理
明るい日陰で、用土を乾かさないように管理して発根を待ちます。
- STEP4鉢上げ
新しい芽が伸びて根が回ったら、鉢や庭に植えつけます。
挿し穂の発根を促したいときは、切り口に発根促進剤をつけてからさす方法もあります。
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よくある質問(FAQ)
Q. ノブドウとブドウは同じ仲間?
A. どちらもブドウ科ですが、ノブドウはノブドウ属、栽培ブドウやヤマブドウはブドウ属で、属が異なります。
Q. なぜ実の色がバラバラなの?
A. 実は熟すにつれて緑→白緑→ピンク→赤紫→青→黒と変化するため、1つの房の中でもさまざまな色が見られます。
Q. ゆがんだ大きな実は何?
A. 多くは小さな虫に寄生された寄生果です。
Q. ノブドウは鉢植えでも育てられますか?
A. 育てられます。草花用の培養土で植え、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。つるが伸びるので、あんどん仕立てにしたり支柱に誘引したりするとまとまります。1〜2年に1回、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
まとめ
- ノブドウはブドウ科ノブドウ属の落葉つる植物。日本全国の山野に普通に見られる
- 実は緑→白緑→ピンク→赤紫→青→黒と色が変わり、「錦ブドウ」とも
- 実はタンニンが多く渋いうえ、虫に寄生された実も多く、生食はできない
- 葉の形は変化が大きく、同じ株でもいろいろな形がある
- 暑さ寒さに強く土質を選ばない。日当たりで育て、冬に剪定、挿し木で増やせる
ほかの実のなる植物は、ブルーベリーやすももの記事もあわせてご覧ください。


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