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【シクラメン】植物の育て方と害虫・病気対策 – 多年生の球根植物

シクラメン イワレンゲ属
シクラメン

シクラメンとは

シクラメンは、サクラソウ科に属する多年生の球根植物で、学名を「Cyclamen」といいます。地中海沿岸からアジア南西部にかけての地域が原産地で、自然界では秋から春にかけて鮮やかな花を咲かせることで知られています。花の形は特徴的で、花弁が反り返り、花茎が巻き上がるように成長する様子はまるでゼンマイのようです。そのため、シクラメンの学名はギリシャ語で「旋回」を意味する「キクロス」に由来しています。寒い季節にも華やかに咲くため、冬の風物詩とも言われ、日本でも鉢植えとして多くの人に親しまれています。

シクラメンの特徴と魅力

シクラメン
シクラメン

シクラメンはその鮮やかな花色と、寒い季節でも美しい花を咲かせる耐寒性の強さが魅力です。花色は非常に多彩で、赤やピンク、白、紫といった定番の色から、最近では黄色の品種まで登場し、選ぶ楽しみが広がっています。葉の形もハート形で、葉に白や銀色の模様が入るものが多く、花が咲いていない時期でも観葉植物として楽しむことができます。

また、シクラメンは切り花にしても長持ちするため、冬のインテリアとしても人気があります。特に窓辺やリビングに飾ると、寒い季節に彩りを与えてくれるので、贈り物や自宅の装飾として重宝されています。

シクラメンの歴史と原産地

シクラメンは古くから人々に愛されてきた植物です。地中海沿岸や中東、北アフリカが原産地であり、古代ギリシャやローマ時代には「アルプスのスミレ」とも呼ばれ、観賞用だけでなく、薬用植物としても利用されていました。シクラメンの球根には薬効があるとされ、民間療法で使用されたことが文献に残されています。

ヨーロッパでは19世紀に入ると、シクラメンが鉢植えとして栽培されるようになり、さまざまな品種改良が進みました。その結果、観賞植物としての価値が高まり、現在のような美しい花を持つ園芸品種が多く誕生しました。日本へは明治時代に紹介され、冬を彩る鉢花として日本の暮らしに根付くようになりました。

シクラメンの種類と品種

シクラメンには多くの品種があり、大きく分けると「園芸品種」と「原種」の二つに分類されます。園芸品種としてよく見かけるのは「シクラメン・ペルシカム(C. persicum)」で、花が大きく華やかで、赤やピンク、白など多彩な色があります。「フェアリーバンビ」や「ウインク」など、品種ごとに異なる形や色の花が楽しめ、開花期間もさまざまです。

一方で「ガーデンシクラメン」と呼ばれる品種は、耐寒性が強く屋外での栽培が可能です。一般的な園芸品種よりも小型で、寒冷地でも育てやすい丈夫さが特徴です。冬の寒さに強く、屋外で花を楽しみたい方には、ガーデンシクラメンが適しています。

原種シクラメンの魅力

園芸品種とは異なり、原種シクラメンは自然に自生する種で、非常に多様な種類が存在します。そのため、愛好家の間では特に人気があります。例えば、「シクラメン・コウム(C. coum)」や「シクラメン・ヘデリフォリウム(C. hederifolium)」は栽培しやすく、冬から春にかけて小さく可憐な花を咲かせることで知られています。

また、原種シクラメンには長寿の品種も多く、イギリスでは100年以上生存する株もあるとされるほどです。さらに「シクラメン・グラエカム(C. graecum)」や「シクラメン・プルプラスケンス(C. purpurascens)」などは暑さや乾燥に強く、特に石灰岩の土壌での自生が確認されています。こうした特性を持つ原種シクラメンは、個々の品種に応じた栽培環境が求められるため、育てる楽しさが一層増すことでしょう。

シクラメンの人気品種

シクラメン
シクラメン

ビクトリア

「ビクトリア」シリーズは、フリル状の花弁が特徴的なシクラメンで、白と濃いピンクや赤が交じり合った縁取りが美しい覆輪タイプです。八重咲きでボリューム感があり、長い期間にわたり連続して開花し続けるため、華やかさを求める方に人気があります。特に、フランスのモレル社が開発した「メティス」シリーズのビクトリアは、耐寒性が高く屋外でも育てやすい品種として知られています。冬の景観に華やかさをプラスしたい方には、屋外栽培も可能なビクトリアがおすすめです。

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冬を代表する鉢花のシクラメン。つぼみが次々と咲き春までお楽しみいただけます。お誕生日や各種お祝いに。お世話になった方へのお歳暮に。ひらひらとフリンジ咲きで花弁の縁に色が付いた豪華なシクラメンです。田島園芸の田島さんが丹精込めて育てたお花を花...

ピアス

「ピアス」もまた、フリル咲きのシクラメンで、上品な色合いが魅力の品種です。花弁の先端に縁取られたピンクや赤の色が、咲き進むにつれてより優雅な印象を醸し出します。成長とともにボリューム感が増し、インテリアとしても存在感を放つため、室内に置いて楽しむ方が多い品種です。ピアスはフランスや日本の園芸家によって改良が進められ、花期が長く、初心者でも育てやすいと評判の品種です

これらの品種は、シクラメンの品種改良による成果であり、寒さに強いものから花持ちの良いものまで、多彩な種類が生まれています。ガーデンシクラメンやミニシクラメンのように、屋外向けの品種やコンパクトな品種があるため、栽培環境や用途に合わせて自分に合ったシクラメンを選ぶ楽しみも増しています。

ヴェスタ

「ヴェスタ」は、丸みを帯びて反り返る花弁が特徴的なシクラメンの品種です。白やピンク、赤などの花色があり、八重咲きのフリンジが華やかさを引き立てます。しっかりとした株を育てると、長期間にわたり咲き続けるため、鉢植えや寄せ植えに適した品種として人気があります。美しい花弁の形状が庭やインテリアに彩りを添えることで、愛好者に広く親しまれています。

ネオ・ゴールデン・ガール

「ネオ・ゴールデン・ガール」は、世界初の黄色系シクラメン「ゴールデン・ガール」を改良した品種です。クリームイエローの花色に淡いピンクのアクセントが入った上品な色合いが特徴で、耐寒性も備えています。さらに、開花期間が長いため、シクラメンの中でも特に人気が高い品種です。室内外問わず楽しめるため、冬の時期に明るい色合いを加えたい方に好まれています。

パピヨン

「パピヨン」は、蝶の羽のように花弁が波打つ「フリンジ咲き」のシクラメンです。他の品種とは異なるエレガントな見た目が魅力で、特にピンクや赤のグラデーションが美しいとされています。観賞価値が非常に高く、存在感のある花姿が室内や庭で華やかな印象を与えます。花の形状と色合いの豊富さから、見た目を重視したシクラメンを選びたい方に支持されています。

メティスシリーズ

「メティスシリーズ」は、フランスのモレル社が開発した小型シクラメンの品種群で、耐寒性に優れ屋外でも育てやすい点が特徴です。「メティス・ビクトリア」や「メティス・ファンタジア」などの品種があり、花弁の形状や色合いに多様なバリエーションが見られます。特にフリンジのある花弁とコンパクトなサイズが魅力で、初心者にも扱いやすいシリーズです。冬のガーデニングやインテリアに彩りを加えたい場合におすすめです。

シクラメンの育て方と基本情報

シクラメン
シクラメン

シクラメンの栽培は比較的容易で、園芸初心者にも人気があります。しかし、品種や種類によっては栽培環境に違いがあるため、ポイントを押さえて管理することが大切です。特に冬の寒さに耐えるガーデンシクラメンは屋外での栽培が向いていますが、耐寒性の弱い品種は屋内で管理する方が安心です。

また、シクラメンは直射日光を避け、明るい場所を好みますが、過度の水やりは根腐れの原因になるため注意が必要です。定期的に枯れた花や葉を取り除き、適切な環境で管理することで、長く花を楽しむことができます。

栽培環境

シクラメンの栽培に適した温度は10〜20℃です。直射日光や暖房の風が当たる場所を避け、明るい室内で管理すると良好に育ちます。冬場の屋内管理が理想的ですが、耐寒性のある品種であれば屋外でも栽培が可能です。

特に冬季は日当たりが良い場所が理想です。窓辺でレースカーテン越しに日光が差し込む室内が適していますが、暖房の効きすぎる場所は避ける必要があります。シクラメンにとって最適な室温は10〜15℃で、外気温が低すぎる場合は屋内に移動させるか、風通しが良い日陰で管理することがポイントです。適度な日光と涼しい環境を保つことで、花の持ちが良くなります。

水やり

シクラメンは過湿に弱いため、表土が乾いたら水を与えるようにします。水やりは株元に行い、葉や花に水がかからないように注意することで、病気の予防になります。この基本を守ることで、健康的な成長を促せます。

鉢底から水がしっかりと染み出すまでたっぷり与えるのが良いですが、葉や花に水がかからないように注意しましょう。また、底面給水が可能な鉢を使用している場合は、鉢皿に水を張って、株が必要な分だけ吸水させる方法も有効です。過剰な水やりは根腐れの原因になるため、適量を守ることが大切です。

肥料

開花期には、7〜10日に一度の液体肥料を与えると、花の色がより鮮やかになります。夏場はシクラメンが休眠に入るため、肥料は控えめにし、適度な休息を与えることが大切です。

シクラメンの肥料は開花期に合わせて与えるのが効果的です。植え付け時に元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込むことで、土全体に栄養が行き渡ります。さらに、開花期間中の11月から3月にかけては、月に2回の頻度で液体肥料を追肥すると、花の色や形がより美しくなります。ただし、肥料を与えすぎると根腐れの原因にもなるため、規定の量を守り、施肥の間隔にも注意が必要です。

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夏越し

シクラメンは5月以降に涼しい場所で管理し、葉が枯れても適度な水分を保ちながら休眠させます。9月頃に新芽が出始めたら、水やりを再開し、通常の管理に戻します。この夏越しの手順を守ることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

シクラメンの季節ごとの管理方法

シクラメン
シクラメン

冬(開花期)

シクラメンの開花期にあたる冬は、日当たりの良い場所で管理し、涼しい環境を維持することが重要です。土が乾いたら適量の水を与え、過湿を避けるようにしましょう。この時期の低温環境が、花の持ちを良くするポイントです。

この時期には、室内で日当たりの良い窓辺に置き、室温を10〜15℃に保つことで、花の寿命が延びます。しかし、室内の暖房による乾燥で葉がしおれることがあるため、適度な湿度を維持し、葉が元気に保てるよう注意しましょう。水やりは土の表面が乾いたタイミングで行い、鉢の底から水が出るまでたっぷりと与えますが、花や葉に水がかからないよう丁寧に管理することがポイントです。

冬の開花が終わると、シクラメンは徐々に休眠期に向かいます。春の初めには水やりを少しずつ控え、気温の上昇とともに自然に休眠状態に入ります。この時期には肥料も控えめにして、休眠に備える準備を行います。

花がら摘みを行い、枯れた花を適切に取り除くことで、株の美しさと健康を保ちます。また、次第に水やりを減らし、新しい葉が出なくなった時点で完全に水を止め、休眠への準備を整えます。春には「葉組み」と呼ばれる、葉を広げて株の中心部に日光が届くように整える作業も行い、株全体が均等に成長できるようにしましょう。

夏(休眠期)

シクラメンが休眠に入る夏は、涼しい日陰で管理することが必要です。鉢の土が完全に乾かないよう、最低限の水分を保ちつつ管理します。この夏越しの時期を涼しい場所で適切に管理することで、株は疲れを癒し、翌年に向けて元気を取り戻します。

秋(成長期)

9月頃になるとシクラメンは新芽を出し始め、成長期に入ります。この時期には再び水やりを再開し、涼しい場所で管理して株を育てます。また、必要に応じて植え替えを行い、開花期に向けての準備を整えます。このようにして秋から成長を促すことで、冬には美しい花を楽しむことができます。

適切な管理と季節ごとのケアを行うことで、シクラメンは毎年美しい花を咲かせ、長く楽しむことができます。

夏越しの方法

シクラメンは高温に弱いため、夏越しには「休眠させる方法(ドライタイプ)」と「休眠させない方法(ウェットタイプ)」の2つの方法があります。

休眠させる方法(ドライタイプ)

ドライタイプの休眠法は、葉を取り除き、球根のみで夏越しさせる方法です。5月頃から水やりと肥料を完全に止め、日陰で風通しの良い場所に鉢を置きます。8月下旬まで水を与えずに乾燥状態を保ち、球根の硬さを確認しながら管理します。球根が硬ければ、休眠が順調に進んでいる証拠です。9月頃に新芽が出始めたら水やりを再開し、通常の管理に戻していきます。この方法では、球根がエネルギーをしっかりと蓄えられ、翌年の花付きが良くなるメリットがあります。

休眠させない方法(ウェットタイプ)

ウェットタイプの非休眠法は、葉を残したまま通常の水やりを続けて夏越しさせる方法です。シクラメンの鉢を日陰または半日陰に移し、土の表面が乾いたら適量の水を与えます。地植えで育てている場合は、掘り上げて鉢に移し、湿度管理がしやすい環境で管理することが推奨されます。ウェットタイプの方法は、翌年の花が早く咲き始めるという利点があり、特に底面給水が可能な鉢を使用すると管理が容易で良い結果が得られやすいです。

夏越しの方法を選び、適切に管理することで、シクラメンは翌年も美しい花を咲かせてくれます。

シクラメンの増やし方と植え替え

種まきによる増やし方

シクラメンの増やし方として、種まきが有効です。種まきの適期は、気温が15〜20℃に保たれる9月から11月です。湿った用土に3cm間隔で種をまき、薄く土をかぶせて覆土します。発芽までの2週間程度は新聞紙などで覆い、暗くして湿度を保つようにします。発芽後は少しずつ光を当て、本葉が3〜5枚出た段階で小さな鉢に植え替えます。この方法で、シクラメンを効率的に増やすことが可能です。

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植え替えの適切な時期と方法

シクラメンの植え替えは、9月から10月の秋か、開花後の春に行うのが適しています。まず、鉢から株を丁寧に取り出し、根の状態を確認しながら古い土を軽く落とします。新しい用土と鉢底石を入れた鉢に株を植え付け、球根の上半分が土の上に出るように浅植えにします。植え替え後は、日当たりの良い場所で管理し、過湿に注意しながら水やりを控えめに行うことで、シクラメンの健康な成長をサポートします。

シクラメンの病害虫対策

シクラメン
シクラメン

シクラメンは高湿度環境に弱く、湿度が高いと灰色カビ病が発生しやすくなります。そのため、適度な湿度管理と風通しを確保することが重要です。灰色カビ病が発生した場合は、患部をすぐに取り除き、カビ防止剤を適用して病気の拡大を防ぎます。また、シクラメンはアブラムシやハダニなどの害虫にも狙われやすいため、定期的に葉の裏側などを観察して異常がないかチェックします。害虫を発見した場合は、市販の殺虫剤で速やかに対処することで、シクラメンの健康を保ちやすくなります。

シクラメンホコリダニ(ハダニ)

シクラメンホコリダニは、高温で乾燥した環境で特に発生しやすい小さなダニの一種です。葉や花芽から汁を吸うことで、葉が縮れたり、蕾が開かないなどの症状を引き起こします。被害が進行すると、葉が白っぽく粉を吹いたような見た目になり、シクラメンの見栄えが悪くなります。防除のためには、通気性を良くし、乾燥しすぎないように環境を整えることが重要です。また、必要に応じて「カネマイト」などの専用の殺ダニ剤を使用することで、ダニの繁殖を抑えることができます。

アブラムシ

アブラムシは春から初夏、秋にかけて発生しやすく、新芽や花茎に群がり、シクラメンの汁を吸うことで植物の成長を妨げます。また、アブラムシの排泄物は葉や花にカビを発生させる原因となり、他の病気を誘発する可能性があります。防除には「オルトラン粒剤」などの農薬が効果的です。風通しの良い環境を保つことと、アブラムシが集まりやすい場所を定期的に観察することで、発生を早期に発見し、対処することが可能です。

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主な病気と対策

シクラメン
シクラメン

灰色かび病はボトリチス菌(Botrytis cinerea)によって引き起こされ、湿度が高く通気性の悪い環境で発生しやすい病気です。発病すると、葉や茎、花に灰色のカビが発生し、褐色の斑点が現れて植物全体が枯れてしまうこともあります。予防策としては、葉が濡れた状態を避けるために、朝のうちに水やりを行い、夜間までに乾燥させることが推奨されます。また、感染が見られた部分はすぐに取り除き、必要に応じて「チオファネートメチル」などの殺菌剤を散布して対策を講じます。

おわりに

シクラメンはその美しい花と耐寒性、豊富な種類と色で冬を彩る貴重な植物です。観賞用としても、贈り物としても非常に人気があり、また原種にこだわることで一層深い楽しみを見つけられることでしょう。寒い季節の寂しさを和らげてくれるシクラメンは、これからも多くの人に愛され続ける植物と言えます。🌸🪴❄️

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