米粒のような小さな葉が、ころころと集まって群生する姫秀麗(ひめしゅうれい)。「姫秋麗」とも書かれる、グラプトペタルム属の小さな多肉植物です。秋から冬にはピンクがかった色に染まり、春には白い星形の花を咲かせます。この記事では、姫秀麗の特徴、よく似た「秋麗(秀麗)」との違い、季節ごとの育て方、葉ざしと株分けでの増やし方を、実際に育てている株の写真と表でわかりやすく解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① 姫秀麗(姫秋麗)はグラプトペタルム・メンドーサエ。小さな葉が群生し、白い星形の花を咲かせる
② 「秋麗(秀麗)」とは別の植物。秋麗はロゼットが大きく、姫秀麗は葉もロゼットも小さい
③ 日当たりと風通しのよい場所で、春と秋は土が乾いたらたっぷり。葉ざし・株分けでかんたんに増える
姫秀麗とは?




姫秀麗(Graptopetalum mendozae)は、ベンケイソウ科グラプトペタルム属の多肉植物です。「姫秋麗」とも書かれ、どちらの表記でも同じ植物を指します。メキシコ・ベラクルス州の、古い火山の岩山だけに自生する小さな種類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Graptopetalum mendozae |
| 別名・表記 | 姫秋麗、ヒメシュウレイ |
| 分類 | ベンケイソウ科グラプトペタルム属 |
| 原産地 | メキシコ(ベラクルス州) |
| 草姿 | 細い茎が立ち上がってから横に広がり、垂れ下がるように群生する |
| 葉 | ぷっくりした卵形〜へら形。大きい葉でも長さ約18mm。パールのような灰紫色にピンクがかる |
| 花 | 直径10〜14mmの白い星形の花。花つきがよい |
| 生育型 | 春秋型(グラプトペタルム属) |
| 耐寒性/耐暑性 | やや弱い/強い(グラプトペタルム属) |
| 増やし方 | 葉ざし、さし芽、株分け |
葉と色の変化




葉は小さく、上面は平らで、下面がふくらんだ形です。ふだんは淡い緑〜灰紫色ですが、秋から冬に日によく当たると、ピンクがかった色に染まります。日照が足りないと色づかず、茎が間延びします。




白い星形の花




グラプトペタルム属の多くは花びらに赤い模様が入りますが、姫秀麗の花は模様のない真っ白な星形です。花つきがよく、株いっぱいに咲くこともあります。花が終わったら、花茎を根元から切り取りましょう。




「秋麗(秀麗)」との違い
名前がよく似た「秋麗(しゅうれい)」は、「秀麗」とも書かれますが、姫秀麗とは別の植物です。「姫」がつくかどうかで、まったく違う品種になります。
| 比べるポイント | 姫秀麗(姫秋麗) | 秋麗(秀麗) |
|---|---|---|
| 学名・分類 | Graptopetalum mendozae。グラプトペタルム属の原種 | ×Graptosedum ‘Francesco Baldi’。グラプトペタルム属とセダム属の交配種 |
| 親 | —(原種) | 朧月(Graptopetalum paraguayense)× 乙女心(Sedum pachyphyllum) |
| 大きさ | 葉もロゼットも小さい(大きい葉でも約18mm) | 葉が長く、ロゼットが大きい |
| 株姿 | 細い茎で群生し、垂れ下がる | ロゼットが立ち上がって群生する |
| 花 | 白い星形の花 | 春に、セダムらしい黄色い花がたくさん咲く |
| 用途 | 寄せ植えのすき間、ハンギング | 単植や寄せ植えの中くらいの株 |
| 季節の色 | 秋〜冬にピンクがかった色に染まる | 夏は淡い緑で透明感があり、冬は淡い紫にピンクの斑点が出る |
いちばん見分けやすいのは花の色です。姫秀麗は白い星形の花、秋麗は黄色い花を咲かせます。秋麗は、朧月と乙女心をかけ合わせた交配種で、姫秀麗とは血のつながりもありません。












下の写真は、葉の長い秀麗(秋麗)を育てているところです。姫秀麗と比べると、ロゼットの大きさの違いがよくわかります。















姫秀麗の年間管理
| 時期 | 株の状態 | 置き場所 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|---|
| 3〜5月 | 生育期・開花 | 日当たりと風通しのよい戸外 | 土が乾いたらたっぷり | 植え替え・株分け・葉ざし |
| 6〜8月 | 生育がにぶる | 雨の当たらない風通しのよい場所 | 少なめ | 蒸れ対策。枯れた下葉を取る |
| 9〜11月 | 生育期・紅葉 | 日当たりのよい戸外 | 土が乾いたらたっぷり→少しずつ控える | 葉ざし・さし芽 |
| 12〜2月 | 生育がにぶる | 霜と寒風の当たらない場所 | 少なめ | 葉を凍らせない |
姫秀麗の育て方
置き場所・日当たり




一年を通して、日当たりと風通しのよい場所で育てます。梅雨の長雨は避け、雨の当たらない軒下などに移しましょう。冬は、霜や寒風が当たらなければ戸外でも育てられます。葉が凍るほど冷え込む地域では、明るい室内に取り込みます。
水やり
| 時期 | 水やりの目安 |
|---|---|
| 春・秋(生育期) | 土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり |
| 夏 | 少なめにする。蒸れると軟腐病の原因に |
| 冬 | 少なめにして乾かし気味に |




乾燥には強いので、迷ったら水やりを1回見送るくらいで大丈夫です。受け皿に水をためないようにしましょう。
用土
水はけのよい用土を使います。市販の多肉植物用の土なら、そのまま使えます。
市販の土を使うなら、花ごころ さぼてん多肉植物の土(Amazon)のような多肉植物用の培養土が手軽です。
肥料
春と秋の生育期に、緩効性化成肥料を2か月に1回か、液体肥料を1か月に1回程度与えます。肥料が多いと茎が伸びやすく、紅葉の色も出にくくなるので控えめにしましょう。
植え替え
植え替えは3〜5月に行います。古い根や枯れた部分を取り除き、根鉢の土を半分ほど落として、新しい用土に植えます。元肥に緩効性化成肥料を混ぜておくと安心です。
姫秀麗の増やし方




姫秀麗は、葉ざし・さし芽・株分けでかんたんに増やせます。葉がポロポロ取れやすいので、落ちた葉からも自然に芽が出てくることがあります。
| 方法 | やり方 | ポイント |
|---|---|---|
| 葉ざし | 植え替えのときに落ちた葉を、乾いた用土の上に置く | 根と芽が出たら少しずつ水やり |
| さし芽 | 下葉を2〜3枚残して茎を切り、2日ほど日陰で乾かしてからさす | 伸びすぎた株の仕立て直しにも |
| 株分け | 群生した株を、植え替えのときに半分ほどに分ける | 根をつけて分ける |
- STEP1葉を外す
元気な葉を、付け根から左右にゆらしてきれいに外します。
- STEP2切り口を乾かす
明るい日陰に置いて、切り口を乾かします。
- STEP3土の上に置く
乾いた水はけのよい土の上に並べます。土には埋めません。
- STEP4根が出たら水やり
根と芽が出てきたら、霧吹きなどで少しずつ水を与えます。
病害虫とトラブル
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 株元が黒くなってとける | 軟腐病(過湿・高温時の蒸れ) | 枯れた下葉を早めに取り除き、水を控えて風通しをよくする |
| 白い綿や殻のような虫がつく | カイガラムシ(高温乾燥時に多い) | 見つけしだい取り除き、殺虫剤はラベルを確認して使う |
| 茎が伸びて葉の間があく | 日照不足 | 日当たりのよい場所へ。伸びた茎はさし芽で仕立て直す |
| 色づかない | 日照不足、水や肥料が多い | よく日に当て、秋以降は水と肥料を控える |
| 葉が透けてぶよぶよになる | 凍結 | 冬は霜と寒風を避ける |
寄せ植え・飾り方




小さな葉が垂れ下がるように伸びるので、寄せ植えの縁や、吊り鉢・高い位置の鉢に植えると、あふれるような姿を楽しめます。同じ春秋型の多肉植物と組み合わせると、水やりの管理がしやすくなります。
















寄せ植えの適期や作り方は多肉植物の寄せ植えに向く時期と作り方で、だるま型の品種はだるま秀麗の育て方で紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 姫秀麗と姫秋麗は違う植物?
A. 同じ植物です。どちらもGraptopetalum mendozaeを指し、表記が2通りあります。
Q. 姫秀麗と秋麗(秀麗)の違いは?
A. 別の植物です。姫秀麗は葉もロゼットも小さく、細い茎で垂れ下がるように群生します。秋麗は葉が長く、ロゼットが大きくなります。
Q. 花が咲かないと、姫秀麗と秋麗は見分けられない?
A. 葉の大きさと株姿で見分けられます。姫秀麗は葉が小さく(大きい葉でも約18mm)、細い茎で垂れ下がるように群生します。秋麗は葉が長く、ロゼットが大きくなります。花が咲けば、白い花なら姫秀麗、黄色い花なら秋麗です。
Q. 冬は外に出したままで大丈夫?
A. 霜や寒風が当たらず、葉が凍らなければ戸外でも育てられます。冷え込む地域では、明るい室内に取り込みましょう。
まとめ
- 姫秀麗(姫秋麗)は、メキシコ原産のグラプトペタルム・メンドーサエ
- 小さな葉が群生し、白い星形の花を咲かせる。秋〜冬はピンクがかった色に
- 名前が似た秋麗(秀麗)とは別の植物
- 日当たりと風通しのよい場所で、春と秋は土が乾いたらたっぷり。夏と冬は少なめ
- 葉ざし・さし芽・株分けでかんたんに増やせる


コメント