黒紫色に染まった肉厚の葉が、きゅっと締まったロゼットをつくるブラッククイーン。シックな色合いで寄せ植えを引き締める、人気の“黒系”エケベリアです。この記事では、ブラッククイーンの特徴と、黒い葉色をきれいに保つ育て方・増やし方を表で解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① エケベリア属の黒系交配種(流通名)。交配親は信頼できる資料では確認できない
② 黒い葉色を保つカギは日光。春秋はよく日に当て、梅雨〜夏は雨を避けた半日陰へ
③ 水やりは「乾いたらたっぷり」。冬は最低気温5℃を目安に室内へ
ブラッククイーンとはどんな多肉植物?




ブラッククイーンは、ベンケイソウ科エケベリア属の交配種の流通名です(学名表記は Echeveria ‘Black Queen’)。とがった爪のある肉厚の葉が、日に当たると葉先から黒紫色に染まり、緑とのグラデーションが美しい品種です。
なお、ブラッククイーンの交配親や作出者は、今回調べた範囲の信頼できる資料では確認できませんでした。インターネット上には親についてさまざまな情報がありますが、根拠がはっきりしないものが多いため、この記事では紹介を控えます。
ほかの“黒系”多肉との違い
| 名前 | 属 | 交配親 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ブラッククイーン | エケベリア属 | 交配種(親は不明) | とがった爪のある肉厚の葉。葉先から黒紫に |
| ブラックプリンス | エケベリア属 | E. shaviana × E. affinis | 黒い葉色は E. affinis(ブラックナイト)ゆずり |
| 黒法師 | アエオニウム属 | - | 茎の先に平たい黒紫のロゼット。エケベリアとは別属 |
黒系のエケベリアは、ほかにブラックプリンスやエボニー系のブラッククイーンも紹介しています。
ブラッククイーンの年間栽培カレンダー
| 時期 | 状態 | 置き場所 | 水やり | 肥料 | 作業 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3月 | 🌱生育開始 | 日当たりのよい場所 | 少しずつ再開 | - | 植え替え・増やし方(適期) |
| 4〜6月 | 🌱生育期 | 日当たり・風通しのよい戸外 | 土が乾いたらたっぷり | 少量 | 植え替え・株分け・葉ざし・さし芽 |
| 梅雨〜8月 | 😴休眠 | 雨の当たらない半日陰 | 控えて乾燥ぎみに | なし | 蒸れ対策 |
| 9〜11月 | 🌱生育期・色づき | 日当たりのよい戸外 | 土が乾いたらたっぷり | 少量(早めに) | 植え替え・増やし方(9〜10月) |
| 12〜2月 | 😴休眠 | 室内の明るい場所(最低5℃以上) | 控えて乾燥ぎみに | なし | 寒さ対策 |
ブラッククイーンの育て方
置き場所・日当たり(黒い葉色を保つコツ)

エケベリアは春と秋の生育期は日当たりのよい戸外で育て、高温多湿に弱いため梅雨から夏は雨に当てず、風通しのよい半日陰で夏越しさせるとされています。黒系の品種は日照不足だと緑っぽくなりやすいので、春と秋はしっかり日に当てましょう。
| 季節 | 置き場所 | ポイント |
|---|---|---|
| 春・秋 | 日当たり・風通しのよい戸外 | 日光で黒紫の色が深まる |
| 梅雨・夏 | 雨の当たらない風通しのよい半日陰 | 長雨と蒸れ、真夏の西日を避ける |
| 冬 | 室内の明るい窓辺 | 最低気温5℃を下回る前に取り込む |
水やり
生育期の春と秋は用土の表面が乾いたらたっぷり。梅雨明けから夏と冬の休眠期は、根腐れや温度障害を防ぐため水やりを控えて乾燥状態を保ちます。ロゼットの中心に水がたまったままだと傷みの原因になるので、株元に水を注ぐようにしましょう。
| 季節 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 春・秋 | 土が乾いたら鉢底から流れるまで | 受け皿の水は捨てる |
| 夏 | 控えて乾燥ぎみに | 与えるなら涼しい夕方以降に少量 |
| 冬 | 控えて乾燥ぎみに | 暖かい日の午前中に少量 |
用土
| 用土 | 割合 |
|---|---|
| 鹿沼土小粒 | 2 |
| 赤玉土小粒 | 2 |
| ピートモス | 2 |
| 川砂 | 2 |
| くん炭 | 2 |
肥料
春と秋の生育期に、緩効性化成肥料か液体肥料を少量施します。紅葉期に肥料分が多いと発色がくすむとされているので、深い黒紫色を楽しみたいなら秋の肥料は早めに切り上げましょう。
冬越し
エケベリアは寒さにあまり強くないため、1日の最低気温が5℃を下回るようになったら、室内の明るい場所に取り込みます。冬は水を控えめにして、乾燥ぎみに管理します。
ブラッククイーンの増やし方


エケベリアは株分け・さし芽・葉ざし・タネまきで増やせ、適期は3〜6月または9〜10月です。タネまきは原種のみ可能とされているため、交配種のブラッククイーンは株分け・さし芽・葉ざしで増やします。
| 方法 | 難易度 | ポイント |
|---|---|---|
| 株分け | ★☆☆ かんたん | 群生した株を植え替え時に分ける |
| さし芽 | ★☆☆ かんたん | 伸びた茎を切ってさし木にする |
| 葉ざし | ★★☆ ふつう | 葉のつけ根を必ずつけて外す |
- STEP1葉を外す
健康な下葉を、つけ根から左右にゆっくり揺らして外します。つけ根が残っていないと発根しません。
- STEP2乾かす
外した葉を日陰で数日乾かします。
- STEP3用土の上に置く
乾いた用土の上に置き、明るい日陰で管理します。
- STEP4根が出たら水やり
根と小さな芽が出てきたら、根に土をかぶせて少しずつ水やりを始めます。
よくあるトラブルと対策
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 黒くならず緑っぽい | 日照不足、秋の肥料過多 | 春秋はよく日に当て、秋の肥料は早めに切る |
| 茎が伸びて形が乱れる | 日照不足(徒長) | 日当たりのよい場所へ。さし芽で仕立て直す |
| 葉が透けてぶよぶよになる | 夏の蒸れ・過湿による根腐れ、凍結 | 梅雨〜夏は雨を避ける。冬は5℃を目安に室内へ |
| 白い綿状の虫 | カイガラムシ | 見つけしだい除去 |
| 新芽や花茎に小さな虫 | アブラムシ、アザミウマ、ハダニ | 見つけしだい除去、または薬剤で防除 |
| 根に白い粉 | ネジラミ | 植え替え時に根を洗って除去 |
寄せ植え・インテリアでの楽しみ方
黒紫のブラッククイーンは、淡いグリーンやピンク、白っぽい品種と組み合わせると全体が引き締まります。たとえば淡緑のピーチプリティや、パール系のパープルディライトと合わせると、色の対比が楽しめます。白やグレーの鉢に単植して、モダンなインテリアにするのもおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. 夏に黒い色が薄くなりました。
A. 夏は休眠期で半日陰に置くため、色が薄くなるのは自然なことです。秋に日当たりのよい場所に戻すと、再び黒みが深まります。
Q. ブラックプリンスとはどう違う?
A. どちらもエケベリア属の黒系交配種です。ブラックプリンスは E. shaviana × E. affinis とされていますが、ブラッククイーンの親は確認できる資料がありません。購入時はラベルの品種名で区別しましょう。
Q. 植え替えの頻度は?
A. 2〜3年に1回が目安。生育期の直前か初期が適期です。
まとめ
- ブラッククイーンはベンケイソウ科エケベリア属の黒系交配種(交配親は不明)
- 黒紫色を保つカギは日光。春秋はよく日に当て、秋の肥料は控えめに
- 梅雨〜夏は雨を避けた半日陰、冬は最低気温5℃を目安に室内へ
- 水やりは生育期に「乾いたらたっぷり」、休眠期は控えめ
- 株分け・さし芽・葉ざしで増やせる(適期3〜6月・9〜10月)
シックな黒紫色は、ほかの多肉植物にはない存在感です。季節ごとの色の深まりを楽しみながら育ててみてください。


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