ぷっくりした葉の先に、濃い緑の筋が入った大きな「窓」をもつハオルチア、ウンブラティコラ(Haworthia umbraticola)。光に透ける葉が集まって、こんもりした株に育ちます。この記事では、ウンブラティコラの特徴と学名・分類、宝草(ハオルチア・シンビフォルミス)との関係、明るい日陰での育て方、季節ごとの水やり、株分けでの増やし方を、実際に育てている株の写真と表で解説します。
この記事の結論(3行まとめ)
① ウンブラティコラは南アフリカ原産のハオルチア。葉先の大きな窓に濃い緑の筋が入る
② 現在は宝草(H. cymbiformis)の仲間(変種や異名)として扱われることが多い
③ 春秋型。明るい日陰で育て、春と秋は土が乾いたらたっぷり、夏と冬は控えめに。子株で増やせる
ウンブラティコラとは?

ウンブラティコラは、ツルボラン科ハオルチア属の多肉植物です。1937年に Haworthia umbraticola の名前で発表された南アフリカ原産の種類で、のちに宝草(Haworthia cymbiformis)の変種 H. cymbiformis var. umbraticola とされました。現在は、宝草の変種オブツーサ(H. cymbiformis var. obtusa)に含める扱いもあり、資料によって分類が異なります。
葉は肉厚で、先端が半透明の大きな窓になり、そこに濃い緑色の筋が入るのが特徴です。日差しや乾燥にさらされると、葉が赤茶色っぽく色づくこともあります。株元から子株を出して、こんもりと群生します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ウンブラティコラ(ウンブラティコーラ) |
| 学名 | Haworthia umbraticola(異名・変種として H. cymbiformis var. umbraticola) |
| 分類 | ツルボラン科ハオルチア属(軟葉系) |
| 原産地 | 南アフリカ |
| 葉 | 肉厚で、先端に濃い緑の筋が入った大きな窓がある |
| 生育型 | 春秋型(3〜6月、9〜11月に生育) |
| 日当たり | 明るい日陰(強い直射日光は避ける) |
| 耐寒性 | 弱い〜やや弱い。−1℃程度までとされるが、冬は室内が安心 |
| 増やし方 | 株分け(子株)、葉ざし、タネまき |
宝草・オブツーサとの関係
ウンブラティコラは、窓のある軟葉系ハオルチアの代表種である宝草(シンビフォルミス)のグループに入る植物です。同じグループには、丸い窓が人気のオブツーサなども含まれます。
| 名前 | 学名 | 見た目の特徴 |
|---|---|---|
| ウンブラティコラ | H. umbraticola/H. cymbiformis var. umbraticola | 葉先の大きな窓に濃い緑の筋 |
| 宝草 | H. cymbiformis | 舟形の葉の先に窓。子株をよく出して群生する |
| オブツーサ | H. cymbiformis var. obtusa(流通名) | 丸く透明感の強い窓 |
流通名と学名の対応は販売店によって違うことがあります。購入時はラベルの学名もあわせて確認しましょう。
ウンブラティコラの年間管理
| 時期 | 置き場所 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|
| 春(3〜6月) | 明るい日陰。戸外なら雨の当たらない場所 | 用土の表面が乾いたらたっぷり | 植え替え・株分け・葉ざし。少量の施肥 |
| 夏(7〜8月) | 風通しのよい明るい日陰 | 控えめ(休眠期) | 直射日光と蒸れを避ける |
| 秋(9〜11月) | 明るい日陰 | 用土の表面が乾いたらたっぷり | 株分け・葉ざし。少量の施肥 |
| 冬(12〜2月) | 室内の明るい場所 | 控えめ(休眠期) | 寒さに当てない |
ウンブラティコラの育て方
日当たり・置き場所

ハオルチアは強い日差しを必要とせず、一年を通して明るい日陰で育てられます。直射日光で枯れることはありませんが、生育が遅れたり、葉のみずみずしさが失われたりします。一方で暗すぎると葉が間のびして締まりがなくなるので、レースのカーテン越しの窓辺や、遮光した戸外が向いています。
水やり
| 時期 | 水やり |
|---|---|
| 春・秋(生育期) | 用土の表面が乾いたらたっぷり |
| 夏・冬(休眠期) | 控えめにする。用土がいつも湿っていると根腐れの原因に |
| 冷暖房の効いた室内 | 温度が一定なら一年中ゆるやかに育つので、乾いたら水を与える |
温度(夏越し・冬越し)
暑さには普通〜やや弱く、寒さには弱い〜やや弱い性質です。夏は風通しのよい明るい日陰で休ませ、冬は室内の明るい場所に取り込みます。ハオルチアの最低温度は2〜5℃が目安とされます。
用土・肥料・植え替え
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用土 | 水はけのよい用土。例:鹿沼土小粒・赤玉土小粒・ピートモス・川砂・くん炭を各2。市販ならさぼてん多肉植物の土(Amazon)のような多肉植物用の土 |
| 肥料 | 春と秋の生育期に、緩効性の粒状肥料か液体肥料を少量 |
| 植え替え | 用土が古くなり生育が鈍ってきたら。根の一部が毎年枯れて鉢の中で傷みやすいので、こまめに植え替える。適期は生育期の直前か初期 |
肥料・植え替えで使うもの
▶ ハイポネックス原液:春と秋の生育期に、薄めて少量与える液体肥料
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▶ プレステラ90深型(スリット鉢):根が太く長いハオルチアに向く、深めで水はけのよいスリット鉢
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増やし方(株分け・葉ざし)

| 方法 | 適期 | ポイント |
|---|---|---|
| 株分け | 3〜5月、9〜10月 | いちばん手軽。子株を根をつけて親株から外し、別の鉢に植える |
| 葉ざし | 同上 | 葉のつけ根をつけて外し、切り口を乾かしてから用土に置く |
| タネまき | 同上 | 原種のみ。発芽後の育苗に時間がかかる |
- STEP1株を鉢から抜く
生育期の直前か初期に、鉢から株をそっと抜き、古い土を落とします。
- STEP2子株を分ける
根のついた子株を、手やハサミで親株から外します。枯れた根は取り除きます。
- STEP3植えつける
乾いた用土に植えつけ、明るい日陰に置きます。
- STEP4水やりを始める
数日たってから水を与えはじめます。
株分けで使うもの
▶ ピンセット:外した子株や葉を、つぶさずに植えつけられます
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葉の色・形の変化と、締まった株に育てるコツ
ウンブラティコラは、置き場所の光の量で葉の見た目が変わります。弱い直射日光が少し当たる明るい場所に置くと、葉がふくらみすぎず、窓の筋がくっきりした締まった株に育ちます。ただし、真夏の日中の強い日差しは避けましょう。
| 葉の様子 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 葉が赤茶色っぽくなる | 日差しや乾燥が強い | 葉が傷んでいなければ心配いらない。真夏は遮光して日中の強い光を避ける |
| 葉が間のびして、窓の筋がぼやける | 光が足りない | レースのカーテン越しの窓辺など、もう少し明るい場所へ |
| 葉がふくらんでやわらかくなる | 暗い場所で水が多い | 明るい場所に移し、用土が乾いてから水を与える |
| 葉がしぼんで張りがない | 強すぎる直射日光、根の傷み | 遮光する。根を確認して、傷んでいれば植え替える |
病害虫とトラブル
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 花や新芽に白い綿状の虫・小さな虫 | カイガラムシ、アブラムシ | 見つけしだい取り除き、防除する |
| 生育が止まり、根に白い虫 | ネジラミ | 植え替え時に根を洗って取り除く |
| 鉢のまわりに小さなハエ | キノコバエ(用土がいつも湿っている) | 水やりを控えて用土を乾かす |
| 葉が間のびして窓が目立たない | 日照不足 | 明るい日陰〜レースのカーテン越しの窓辺へ |
| 葉がしぼんで張りがない | 直射日光が強すぎる、根が傷んでいる | 遮光する。根を確認して植え替える |
よくある質問(FAQ)
Q. ウンブラティコラはポーチュラカの仲間ですか?
A. いいえ。ポーチュラカにも umbraticola という種小名の植物がありますが、ハオルチアのウンブラティコラとは別の植物です。窓のある葉をもつのはハオルチアのほうです。
Q. 花茎が伸びてきました。
A. ハオルチアは早春から花茎を伸ばします。花は目立たないので、株を疲れさせたくなければ咲く前に切り取っても大丈夫です。
Q. 室内だけで育てられますか?
A. 強い光を必要としないので、明るい窓辺なら室内でも育てられます。光が足りないと葉が間のびするので、レースのカーテン越しの日が入る場所に置きましょう。
Q. ウンブラティコラという名前の意味は?
A. 種小名の umbraticola は、ラテン語で「日陰に住むもの」という意味です。強い光を必要としないハオルチアらしい名前で、栽培でも明るい日陰が向いています。読み方は「ウンブラティコーラ」と表記されることもあります。
Q. 葉が赤茶色になってきました。大丈夫?
A. 日差しや乾燥が強いと、葉が赤茶色っぽく色づくことがあります。葉に張りがあれば心配いりませんが、真夏は日中の強い光を避けて、風通しのよい明るい日陰で休ませましょう。
まとめ
- ウンブラティコラは、葉先の大きな窓に濃い緑の筋が入る南アフリカ原産のハオルチア
- 分類は資料で異なり、宝草(H. cymbiformis)の変種や、オブツーサの異名として扱われる
- 春秋型。一年を通して明るい日陰で、春と秋は土が乾いたらたっぷり、夏と冬は控えめに
- 冬は室内の明るい場所へ。根が傷みやすいのでこまめに植え替える
- 子株を株分けして増やせる
同じグループの宝草(シンビフォルミス)や、丸い窓が人気のオブツーサの記事もあわせてご覧ください。


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